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建通新聞社(神奈川)
2020/05/29

【神奈川】川崎市 卸売市場の機能更新を検討へ

 川崎市は、「川崎市卸売市場機能更新に係る検討支援業務」の委託先を公募型企画提案(プロポーザル)により、地域計画建築研究所に決めた。卸売市場の機能更新手法の検討を支援してもらうため、2019年度に実施した検討成果を踏まえ、@必要な判断材料などの収集・作成Aマーケットサウンディング調査の実施支援B市場内事業者との意見交換の実施C庁内議論に向けた論点の整理・会議資料作成―などの業務を委託する。委託期間は21年2月26日まで。
 川崎市は昨年6月、川崎市中央卸売市場北部市場と、地方卸売市場南部市場の今後の機能の在り方や、将来に向けた運営方針などを示した「川崎市卸売市場経営プラン改訂版」を策定。施策の方向性として、「効率的な機能維持手法の確保」など四つを挙げ、それぞれ基本目標と基本施策を提示。北部市場については、市場全体の機能の維持・更新に向け、民間活力の導入など最適な整備手法を検討するとし、大規模再整備を実施済みの南部市場でも今後は民間活力の導入による整備手法を検討する方針を示した。また、民間活力の導入に当たってはサウンディング手法などにより、事業内容や事業スキームなどについて民間事業者から意見や提案などを聴取することも視野に入れて、対象事業の検討を進めるとした。
 さらに川崎市は19年度、経営プラン改訂版に基づいて北部市場と南部市場の計画的な機能更新(施設整備)について最も効率的・効果的な整備手法を探るため、「川崎市卸売市場機能更新に係る検討支援業務」を地域計画建築研究所東京事務所(東京都千代田区)に委託した。今回は、19年度の検討成果を踏まえて、▽低温管理など、近年高まりを見せる生鮮食料品流通ニーズに対応した市場機能の強化▽長寿命化の考え方を踏まえた、全体的な機能更新に向けた最も効率的・効果的な整備手法▽最大限民間活力導入を図りながら最小限の公の経費負担▽建築など諸規制との整合▽機能更新に伴う近隣地域への影響―などの視点で総合的な検証を実施し、発注者が最も効率的・効果的な整備手法を見いだすことができるよう支援してもらう。
 具体的には、19年度の検討で候補として絞り込まれたいくつかの機能更新手法(余剰地の活用手法を含む)について実現可能性、財政負担軽減の可能性、周辺地域への影響などを精査し、比較検討資料を作成する。機能更新の検討支援では、マーケットサウンディング調査の実施支援、調査結果の分析も行う。
 また、市場の機能更新手法の決定に当たって、場内事業者との意見交換、合意形成、論点整理、会議資料作成などを支援してもらう。
 北部市場は1982年に開設されたもので、主な施設としては、青果棟、水産棟、花き棟、関連商品売り場棟、管理事務所棟、冷蔵庫棟などがある。延床面積は約6万4000平方b。所在地は宮前区水沢1ノ1ノ1。敷地面積は約16万8000平方b。
 一方、南部市場は1944年に開設され、2007年に地方卸売場に転換、コンパクト化された。主な施設としては青果卸売場棟、水産卸売場棟、花き卸売場棟、管理事務所棟、冷蔵庫などがある。延床面積は1万7000平方b。所在地は幸区南幸町3ノ126ノ1。敷地面積が3万2000平方b。

提供:建通新聞社