東京都教育庁は、2020年度に発注を予定している都立学校の改修や建て替え工事について、案件ごとに状況などを精査した上で、発注のタイミングを検討する。新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う都政の運営方針を踏まえつつ、学校側とも調整しながら、発注スケジュールの見直しを進める。大空間の天井落下防止対策や空調設備改修など、児童・生徒の安全と健康を守る上で必要な工事については発注を予定通り継続する。
都は、4月7日に政府が緊急事態宣言を発令したことを受け、入札手続きに入っている案件やライフライン関連などを除き、原則として工事・委託案件の入札公告を見合わせていた。
加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に人員と財源を集中させるため、既存事業の執行体制を縮小するよう都政の運営方針を決めている。
都市開発や施設整備、計画修繕のうち、未着手、未発注、一時中止が可能な事業は延期または中止するよう庁内に通達が出されており、都立学校の改修は「休止する」事業として例示されていた。
教育庁では、これらを受けて、案件ごとに事業の必要性や優先度を判断する作業を進めている。年度当初に発注予定だった案件についても、発注が既に遅れており、スケジュールを再考している。
4月以降、教育庁が発注した工事は「受変電設備改修」「空調設備改修」「放送設備改修」「武道場天井改修」「屋上防水」などが中心となっている。
改修だけでなく、建て替え工事に関しても、当面の間は同様の方針に基づいて個別の案件ごとに発注のタイミングを検討する。
提供:建通新聞社