徳島県病院局は新型コロナウイルス感染症対策として、旧海部病院を改修し軽症者等を対象とした宿泊療養施設を整備する。4月補正予算に事業費8億5000万円を確保した。早急に事業手法を固め年内の供用開始を目指し整備を図る考えだ。
計画では、鉄筋コンクリート造4階建て延べ5359平方bの病院本館の3階と4階部分の延べ2000平方bに、個室(ユニットタイプ)の宿泊施設を各30室(計60室)設ける。1983年度建築で耐震性能を満たす施設だが、南海トラフ巨大地震時に発生する津波被害を避けるため新病院を高台に移転した経緯があり、このため津波浸水想定高を超える3階以上に整備することにした。
具体的な事業費の内訳など詳細は明らかにされていないが、できるだけ早期の供用開始を目指しており、整備に向けて事業手法など委細を早急に詰め事業を進める計画。所在地は牟岐町中村字本村75ノ1。所管は経営改革課。
県は、新型コロナウイルス感染症による医療崩壊や感染拡大を防ぐため、入院受入機能の強化や医療機器等設備の整備、軽症者等の療養体制確保、新型コロナ臨時外来を設置するなど、医療提供体制の強化を図ることにしており、この中で軽症者等の療養体制確保の一環でリタイアインフラとなっている旧海部病院を活用し、軽症者や無症状者の宿泊療養施設として活用することにした。療養体制の確保については、この他、徳島市内のホテル約200室の借り上げなどを別事業で進めることにしている。
なお、旧海部病院については、病院本館の他、付属設備棟、MRI室等、別館、厚生棟なども含め、これまでリタイアインフラの利活用を検討・協議してきた経緯がある。このため今回整備した宿泊療養施設をコロナ終息後に観光宿泊施設として活用することも検討している。
提供:建通新聞社