名古屋市緑政土木局は、民間活力を導入した公園の魅力向上で2020年度、次期公園経営事業展開プランを策定するとともに、モデル公園と位置付ける鶴舞公園、千種公園、矢場公園の3公園を対象に事業者募集に向けた準備を進める方針だ。矢場公園はエリアマネジメント手法で活性化させるための事業者公募を20年度、鶴舞公園と千種公園は21年度にも事業者の公募開始を目指すスケジュールを想定している。
モデル3公園は、総合公園クラスで鶴舞公園、地区公園クラスで千種公園、街区公園クラスで矢場公園をそれぞれ選定。鶴舞公園は、1909年に設置した第1号の公園で、歴史的建造物や花の名所、文化・スポーツ施設など多彩な魅力があり、市を代表する公園。民間活力導入は、正門広場南と秋の池エリア、熊沢山の3エリアを想定する。
20年度は再生方針に対する市民意見を聞く他、収益施設導入と指定管理、市で施工する工事のエリアや内容、順番を決める。また、Park-PFI導入に向けた公募設置等指針の策定、新規施設整備に向けた既設撤去などを進める考え。21年度以降に収益施設の事業者公募を進める計画だ。
千種公園は、東部医療センターの北側に位置し、近隣には福祉施設や特別支援学校、大学や中・高校が多い地区。地域特性を生かし、民間活力を導入してユニバーサルデザインの地域交流拠点の創出を構想している。20年度に公園ストックと利用実態の調査を実施するとともに、市民意見を聞き、目指す公園像や導入する施設と機能について地域住民との合意形成を図る考え。その上で、21年度以降に整備運営方針の検討、新規施設整備に向けた基盤整備(既設撤去など)、公募設置等指針の策定を行い、事業者の公募に備えるスケジュールを見込む。
矢場公園は、面積0・59fの街区公園だが、栄地区の立地と中央部の広場(約1400平方b)を活用した、各種イベントが行われている。特長を生かして、地域主体で音楽によるまちのにぎわい創出を構想している。20年度は公募設置等指針の策定の他、同公園で収益事業を行い、地域住民とともにエリアマネジメントに取り組む事業者の公募を計画している。また、必要な基盤整備(既設撤去など)や公園の管理運営の枠組みを検討する考え。
新たな公園運営ではこの他、身近な街区公園の利活用向上に向けた、地域住民主体の運営などの仕組みづくりに取り組む。瑞穂区の駒場公園を対象にした検討には既に着手。この他、2公園程度で検討を行い、利活用のモデル実施と検証を実施する考えだ。
提供:建通新聞社