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建設経済新聞社
2020/05/12

【京都】祇園甲部歌舞練場耐震改修工事 大成建設で解体工事に着手

 学校法人八坂女紅場学園(理事長太田紀美氏、京都市東山区祇園町南側570−2)は、同地他の祇園甲部歌舞練場耐震改修工事について、このほど解体工事に着手した。解体工事は11月末に完了する予定。耐震改修工事の完成は令和3年10月の予定。設計・施工は大成建設(東京都新宿区・03−3348−1111)。
 祇園甲部歌舞練場耐震改修工事は、京都市東山区四条通大和大路東入祇園町南側570−2他の敷地1万4501・80u(用途地域は商業地域(指定建ぺい率80%、指定容積率400%))に建つ建物群について、一部解体及び耐震改修、建替え、増築などを行う計画。
 除却(解体)予定の建築物は、本館棟、本館トイレ棟、電気室棟、機械室棟、技芸学校棟、別館棟、八坂倶楽部棟。
 耐震改修工事等の主な内容は、祇園甲部歌舞練場の耐震改修工事と老朽化設備の更新、新技芸学校及びギオンコーナーの本館への1棟増築工事。
 増築部分は、祇園甲部歌舞練場の本館(客用・舞台北・舞台西廊下・ロビー一部)が延225・62u、本館(客席西廊下、倉庫2−2)が延24・35u、空調機械室1・2が延18・00u、西トイレが延27・10u、音響室・監督室・照明室他が延82・37u、新技芸学校が延2082・13u、新設渡り廊下が延85・09u。
 改修前の合計延べ面積は1万4215・25uで、改修後の合計延べ面積は1万4939・55u。
 新技芸学校は本館北東側に増築する。技芸学校とギオンコーナーも一体化させることで、ギオンコーナーを技芸学校の教室(学びの場)として活用する。
 外観は歌舞練場内の既存建物のデザインコードをモチーフにした形態を採用する。水平・垂直の部材、白壁で本館真壁の構造を表現する。
 入母屋の屋根形状を採用。棟のレベルに変化を設け、大屋根の重なりを表現する。大屋根、1階庇とも軒天部分はRC面に約200oのピッチで目地を設ける。先端部はアルミパネル・ウレタン樹脂焼付塗装の仕上げとする。
 本館・玄関の耐震改修は、既存木造建屋内に鉄骨補強フレームを構築し、地震力は全て鉄骨補強フレームで負担できるようにする。
 本館は現状の意匠の保存を基本とする。舞台・客席の保存状態の悪い壁塗りは更新。客席は1階席は絨毯・椅子を更新、桟敷席の畳を更新する。2階席は椅子席に更新、桟敷席の畳は更新する。2階席のクロス張りの天井を更新する。2階席東ロビーは、空間は維持した上で壁と天井を更新する。舞台は、空間は現状を維持し、舞台設備は全て更新する。耐力壁に改修する壁は現状の仕上げと同様のじゅらく土塗で復旧する。トイレは更新する。
 増築する照明室は、既存の木造建物に合わせた設えとしてデザインする。
 火災に対する安全性の確保では、自動火災報知設備、非常放送設備、非常用照明は全館配置。自動スプリンクラー設備又は補助散水栓設備は照明室等一部を除き全館配置。水を噴霧するドレンチャー設備はドレンチャーヘッドを舞台と客席の間に連続設置し、水膜(水のカーテン)を形成する。
 敷地内の弥栄会館を活用した新規ホテルを樺骰巣zテル(東京都千代田区)が計画しており、弥栄会館等の所有者の八坂女紅場学園と検討・協議を行っている。なお弥栄会館(SRC造地下1階地上5階建、延6589・71u)は昭和11年竣工。平成13年より国登録有形文化財、平成23年より歴史的風致形成建造物(京都市指定)。