県農林水産部耕地課は、農業農村整備事業の2020年度新規採択地区を明らかにした。地域農業水利施設ストックマネジメント事業の白桝地区(山武郡芝山町)と農業集落排水事業の東郷第一地区(茂原市)の2地区で、いずれも団体営事業。ほかに経営体育成基盤整備事業4地区(大森、大楠、桑田、北小町)、農地防災事業2地区(清水、奥山)、農地中間管理機構関連農地整備事業1地区(松崎)の7地区が採択に向けて法手続きを進めている。これら9地区の総事業費は約88億2200万円が見込まれる。
白桝地区は、農山漁村地域整備交付金を活用し、用水機場1か所の建屋、ポンプ設備、電気設備等の改修工事を実施する。総事業費は約5900万円を見込む。また東郷第一地区は、同様に交付金を活用し、管路施設、機械・電気設備工事等を実施する。総事業費は約6億5000万円を見込む。
一方、法手続き中の大森地区(勝浦市)は、区画整理によるほ場の整形化と用排水路及び道路の一体的整備により営農の効率化・省力化を図る。受益面積は約37ha、受益戸数は73戸、総事業費は約16億6300万円を見込む。
大楠地区(勝浦市)は、標準区画20a以上のほ場を設け、暗渠、用排水路、農道の一体的な整備により生産基盤の確立と営農の省力化を図る。受益面積は42ha、受益戸数は81戸、総事業費は16億2900万円を予定。主要工事は区画整理42haなど。
桑田地区(いすみ市)は、50a区画を基本に50a以上以上の大区画高生産性ほ場を設け、用排水路及び道路の一体的な整備により、総合的な生産基盤の確立と営農の省力化を図る。受益面積は61ha、受益戸数は198戸、総事業費は18億7900万円を見込む。
北小町地区(鴨川市)はほ場の30a標準区画化に加え、道路と水路を一体的に整備し、農作業の機械化を図り、農地中間管理機構による利用集積を進める。受益面積は42ha、受益戸数は78戸、総事業費は14億1200万円を予定。
また松崎地区(神崎町)は、農地の担い手への集積・集約化を行い、大区画化、用排水施設、暗渠、農道の一体的整備を行い、大型機械による水田営農の低コスト化を図る。受益面積は26・6ha。工期は20〜26年度の7か年。総事業費は6億3200万円。
農地防災事業は、用排水施設等整備事業の清水地区(茂原市)とため池整備事業の奥山地区(南房総市)の2地区で事業を計画。清水地区は、地域一体の地盤沈下(最大で74p)が進み、自然排水が不可能となったことや、宅地等の流域開発により地区内からの排水量が増大したことなどから、排水施設の改修工事を実施する。受益面積は73ha、防災受益面積は65・4ha、総事業費は7億6100万円を予定。事業期間は20〜25年度の6か年。
ため池整備事業の奥山地区は、ため池が築造後90年が経過した老朽ため池で、1940年に堤体、86年に取水施設の改修を実施しているが、農業水利施設の老朽化の進行や機能低下が発生していることから早期の改修を行い、農業経営の安定化を図る。受益面積は38・9ha、防災面積は9・1ha、総事業費は1億3700万円。