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建設経済新聞社
2020/05/11

【京都】可燃ごみ広域処理施設整備事業 環境アセス準備書縦覧を開始 造成約2年、プラント約3年

 枚方京田辺環境施設組合(管理者・上村崇京田辺市長、大阪府枚方市尊延寺2949(枚方市東部清掃工場内))は8日、枚方京田辺環境施設組合可燃ごみ広域処理施設整備事業について、京都府環境影響評価条例に基づく環境影響評価(アセスメント)準備書及びその要約書を作成し縦覧を開始した。21日から24日にかけて京田辺市、枚方市でアセス準備書に関する住民説明会を開く。
 同事業は、枚方市穂谷川清掃工場と京田辺市甘南備園の老朽化が進んでいることから、両施設に代わる可燃ごみの共同処理施設を一部事務組合の同組合が京田辺市に整備するもの。
 可燃ごみ広域処理施設は、京田辺市田辺ボケ谷、甘南備台2丁目ほかの京田辺市環境衛生センター甘南備園の隣接地に建設する計画。面積は約5万0600u(処理施設工区約3万5600u、市道整備工区約1万5000u)。
 処理方式は、ストーカ(火格子)の上に投入したごみを乾燥、燃焼、後燃焼工程に順次移送させながら燃焼させるストーカ式焼却炉とする。施設規模は一般廃棄物処理能力168t/日(7t/時間)×1炉。このうち可燃ごみ量(平常時)156t/日、災害廃棄物(可燃ごみ)12t/日。
 造成地盤高さは120m、煙突高さは100mとする。
 環境配慮の方針によると、調整池を設置するなどにより、適切な雨水対策を行う。工事の実施に伴う発生土は、対象事業実施区域内の盛土材として極力再利用するほか、余剰分は他の公共工事などへの活用に努める。焼却に使う熱を利用して種に発電を行い、施設内で消費される電力を賄うとともに、余剰電力を売却する。また施設に必要な熱源として利用することで、温室効果ガスの排出量削減に努める。
 このほか、造成法面を緑化し裸地面積を減少させる。
 動物への影響の低減のため、工事着手はオオタカの敏感度が比較的低いとされる巣外育雛期以降に行う。可能な限りオオタカの巣から離れた場所から施工を始め、馴化を促す。オオタカの求愛・造巣期〜巣内育雛期は可能な限り巣から離れた場所で施工する。工事着手時はオオタカの巣外育雛期以降にクレーンやダンプの稼働を開始させ、急激な視覚的な変化の低減を図る。上記の環境保全措置を実施するため、工期延長してオオタカの繁殖活動への影響を可能な限り避けた造成工事とする。煙突の施工はクレーンの稼働等が伴うことから、オオタカの巣から見える高さ以上の煙突はオオタカの敏感度が比較的低いとされる巣外育雛期以降に施工する。低騒音型機械等の環境に配慮した建設機械を採用する。工事中はオオタカの繁殖状況について確認を行い、異常行動が確認された場合は専門家の助言を基に適切に対応する。
 工事中における工事用車両及び供用後における廃棄物の運搬車両等の関係車両は、京田辺市及び枚方市を結ぶ国道307号を走行する計画。なお枚方市において道路整備(長尾杉線)が計画されている。また施設の建設と合わせて、国道307号と施設を接続する京田辺市道を整備する計画。
 可燃ごみ広域処理施設の建設は、造成工事に約2年間、プラント工事に約3年間の約5年間の期間を見込む。設計は約1年間。試運転を経て令和7年度の稼働を目指す。
 設計及び建設、運営を事業者に一括して発注するDBO方式を採用する。
 アセス準備書に関する業務の委託先は八千代エンジニヤリング大阪支店(大阪市中央区)。
 基本計画は日建技術コンサルタント(大阪市中央区)が担当。可燃ごみ広域処理施設整備に係る地質調査業務はインテコ大阪営業所(大阪市北区)、可燃ごみ広域処理施設整備・運営事業者選定支援業務はエイト日本技術開発関西支社(大阪市淀川区)が担当。