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滋賀産業新聞
2020/05/07

【滋賀】愛荘町 庁舎等のあり方検討委開催

 17年(平成29年)3月に「公共施設等総合管理計画」を策定し、19年(平成31年)3月に「個別施設計画」を策定した愛荘町―。

 町民と情報を共有しながら、行政機能の配置の適正化を検討し、将来世代に課題と負担の先送りをすることなく取り組んでいくための「具体の実行案」と取りまとめるべく、今年(令和2年)2月28日に立ち上げた『愛荘町庁舎等のあり方検討委員会』の第3回委員会が去る4月28日、開催された。
 過去2回の委員会での意見を踏まえつつ、施設集約に向けた評価項目・評価基準に基づき、事務局がまとめた対象9施設、各施設ごとの方針案をたたき台に協議した。
 9施設のうち、2町が合併して誕生した愛荘町が、合併協議において『将来的に再度検討する必要がある』とした本庁舎である愛知川庁舎と秦荘庁舎(分庁舎)の【行政系】2施設については、「住民の利便性向上及び事務の効率化等を実現するために、愛知川庁舎にすべての課を集約し、秦荘庁舎には支所機能を設ける」とした。
 秦荘庁舎(RC造3階建、延2734平方b)は、1972年度(昭和47年度)の建築で築後48年が経過する。災害対策本部を設置するためのIs値(目標値)を満たしておらず改修等に多額の費用が見込まれ、また、愛知川庁舎(RC造3階建、延3791平方b、1990年度建築)が総務省基準による庁舎必要面積に対する不足差は、「隣接する愛知川保健センターを活用すれば概ね確保できる」として、検討の目的である「将来世代への負担の軽減」の観点からも集約化を方針案とした。
 類似施設のラポール秦荘『いきいきセンター』と福祉センター『愛の郷』の【福祉系】2施設については、類似する自治体の福祉施設とも比較。「同一敷地内に特別養護老人ホームなど他の福祉・健康増進施設があるラポール秦荘『いきいきセンター』を総合福祉センターとして一本化。利用者ニーズを把握し、適切なサービスを提供していく」を方針案とした。
 秦荘保健センターと愛知川保健センターの【保健系】2施設は、「住民にわかりやすく、安全して相談できるなど、利便性の向上を実現すため」として、いずれの施設も廃止して「新たに(仮称)愛荘町保健センターを設置する」とした。
 老朽化が著しい【町民文化系】の愛知川公民館と町民センター愛知川の2施設については、「2施設とも解体。社会教育施設としての公民館機能(役割)を引き続き維持するため、ハーティーセンター秦荘を中心に事業を展開する」とした。
 跡地利用が定まっていないため、倉庫として利用しているものの老朽化の進行により景観を損ねるなど課題を抱える【旧愛知川警部交番跡地】については、「(隣接する愛知川庁舎)来庁者等の駐車場不足が指摘されていることから、建物を解体し駐車場として整備し、速やかに有効活用する」とした。
 協議では、行政系2施設について「集約化は理解できるが愛知川庁舎も新しいものではない。建替を念頭に」や、「『廃止』や『設置』の意味が不明・具体性に欠ける」、「警部交番跡地は町の中心地。民間活用(売却)などより有効な活用を」といった意見が出された。
 今委員会で出た意見を反映させ、次回(5月26日開催予定)以降、方針案を深化、夏頃を目途に答申案を取りまとめる予定。

提供:滋賀産業新聞