鹿児島市水道局は、公共下水道事業基本構想および全体計画(施設計画)の策定に乗り出す。施設の更新時期を迎えたが、人口減少の時代等に入り財政状況等を踏まえ、長寿命化や施設規模の適正化(ダウンサイジング等)を検討。谷山処理場の機能強化のほか、南部処理場は施設規模の適正化等の方向性を探る。
業務目的は、汚水は処理場の統廃合を実施しており、一定の効果をあげているが事業着手から65年以上が経過。雨水も道路陥没が多く発生するといわれる、建設後30年以上経過している施設が多く老朽化対策に取り組んでいる。
しかし、施設更新には財政的負担等が大きいことから、効率的な執行が求められる。今後、20年間の道しるべとなる基本構想を策定するとともに、同構想を踏まえた全体計画(施設計画)を策定する。
主な方向性をみると、対象範囲は8280ha。処理場およびポンプ場施設の再構築は、処理場統廃合が完了すると2処理場体制(南部と谷山)に移行するため、谷山処理場の機能強化が必要となる。また、南部処理場は現有池数が22池と多く老朽化している。そのため、流入水量が減少することを踏まえると施設規模の適正化(ダウンサイジング等)の検討が求められる。
中継ポンプ場(大明ケ丘、上町)では、施設老朽化が進んでいるが、更新手法や圧送管の維持管理など課題やリスクがあり、現地状況や流下系統を把握した上でさまざまな観点から新たな視点で取り組む。
汚泥処理施設および汚泥処分は、下水汚泥の全量を堆肥化(サツマソイル)して有効活用を図っているが、施設の更新手法等の問題がある。一方で、下水汚泥のエネルギーや建築資材等の利用により、再資源化する新たな技術が創出されるなど今後の動向を注視して判断する。
業務はプロポーザル方式で発注手続きに入り、参加表明は5月14日、技術提案書は6月12日までの提出期間を設定し、同30日に業者からヒアリングを実施し、委託業者を決定する。履行期限は2022年3月25日まで。