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建通新聞社四国
2020/04/28

【香川】香川県 余裕期間設定とICT活用の対象拡大

 香川県土木部は建設業の働き方改革に関する取り組みとして、「余裕期間設定工事」の試行対象を指名競争入札の一部の土木一式工事に拡大するとともに、施工プロセスの全てを対象としていたICT活用工事の試行を「一部の段階」でも実施できるようにした。
 余裕期間設定工事は、発注者が契約ごとに60日の範囲内で余裕期間(契約期間内だが実工期外のため、受注者は工事に着手できないものの主任・監理技術者の配置が不要)を設定し、工事の開始日を受注者が余裕期間内に選択できる制度。発注者にとっては柔軟に工期を設定することで施工時期を平準化することができ、受注者にとっては限られた人材や資機材を効率的に配置することができる。
 県はこれまで、その対象を「一般競争入札を適用する、工事期間に制約のない案件」の中から指定していたが、2020年度はこれに「指名競争入札を適用する一部の土木一式工事」を追加する。入札公告など発注時に「余裕期間設定工事」であることを明示し、落札後に受注者が工事開始日を決める。
 生産性向上のため試行しているICT活用工事についてはこれまで、施工プロセスの@3次元起工測量A3次元設計データ作成BICT建設機械による施工C3次元出来形管理等の施工管理D3次元データの納品―の全ての段階を対象として試行してきた。
 20年度はその対象を「一部の段階」に拡大し、「ICT建設機械による施工」「3次元出来形管理等の施工管理」のいずれかを実施すればICT活用工事として認め、活用状況に応じて工事成績評定(創意工夫)で評価する。発注者指定型は発注段階で必要な経費を計上し、施工者希望形では契約後の協議でICT活用工事の適用が決まれば、変更契約を行って必要な経費を計上する。発注者指定型、施工者希望形で発注された工事以外でも、受注者が契約後にICT施工技術の活用を希望する場合、発注者が実施内容を検討して可否を判断し、適用する場合はICT活用工事に設定。積算などは施工者希望形と同様の扱いにする。
 対象工事は、当初設計金額3000万円以上で土工量が約1000立方bの「河川土工、海岸土工」「道路土工」の工種を含む土木一式工事と、2000平方b以上の新設路盤工事を対象とした舗装工事。20年度は土工の工種の中に「砂防土工」を追加するとともに、関連工種として「作業土工(床掘)」と「付帯構造物設置工」を導入(単独での実施は行わない)する。
提供:建通新聞社