東京都水道局は、村山山口貯水池管理事務所など同局が所有する建築物39棟の長寿命化に向けた劣化診断調査に着手した。希望制指名競争入札を実施した結果、保全工学研究所(千代田区)が1925万円で落札した。納期は9月。劣化状況を把握するとともに今後の劣化の進行を予測し、各施設の具体的な対策に反映。小規模な修繕や補修を適切に実施する予防保全への転換を進める。
同局の建築物の多くで外壁の防水材や塗装材などが耐用年数を超えている。現在の維持管理手法は、支障が発生した後に対応する事後保全型。予防保全に移行することで予算を平準化し、建物をより安全に長く使用できるようにする。
建築部位と電気・機械設備、防災設備などの現況について、現地調査とヒアリングを通じて確認する。その結果を基に、今後の対策の必要性と方向性を短期と中長期の両方のスパンで検討する。
対象施設のうち、最も古い建物は村山山口貯水池管理事務所(埼玉県所沢市勝楽寺25ノ2)で、完成から86年が経過している。規模は鉄筋コンクリート造2階建て延べ755平方b。一番新しいのは築4年の羽村取水管理事務所(羽村市羽東3ノ8ノ32)で、規模は鉄筋コンクリート造3階建て延べ1773平方b。
この他、板橋営業所(板橋区氷川町3ノ6、鉄筋コンクリート造3階建て延べ1万3455平方b)や、千代田合同庁舎(千代田区内神田2ノ1ノ12、鉄筋コンクリート造地下1階地上8階建て延べ5169平方b)などが含まれている。
提供:建通新聞社