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日刊建設タイムズ社
2020/04/23

【千葉】事業計画変更手続きを/未整備区域解消に向けて/検見川・稲毛土地区画整理/千葉市

 千葉市は本年度、検見川・稲毛地区土地区画整理事業の事業計画変更手続きを進める。未整備区域の早期解消に向けて、2019年度に取りまとめた再整備計画案に基づき、土地利用計画などを見直すもので、中央部エリアの旧中学校用地と地区公園用地を、北側大規模造成エリア(未整備区域)の仮換地先に転換し一般街区等として利活用を図るとともに、地区公園の位置を大規模造成エリアに移す。これにより工事期間の短縮や、整備費の縮減が期待できるとしている。
 検見川・稲毛地区土地区画整理事業は、JR総武線新検見川駅から南東約500mの花見川区検見川町5丁目、稲毛区稲毛町4・5丁目の各一部約68haを施行区域として、1985年度に事業認可を受け市施行で進められている。施行期間は2038年度まで。
 現在の進捗状況(18年度決算ベース)は、事業費65%(総事業費226億9000万円に対し148億1800万円執行)、建物移転58%(要移転建物370戸に対し213戸移転)、道路築造55%(総延長2万3491mに対し1万2851m整備)、宅地造成64%(総面積46・0haに対し29・5ha整備)。
 谷状の地形を含む北側大規模造成エリア、旧中学校用地や旧検見川無線送信所跡がある中央部エリア、地区外排水接続部の整備が課題の東関道東側エリアなど、工事に着手できていない区域(未整備区域)が存在し、現在の設計のままでは、整備完了までに25年かかると想定されている。
 このため市は、18年度に再整備計画策定業務を画地測量設計へ委託し、19年度までに再整備計画案をまとめた。同案によると、高低差により最大6m程度の盛土が必要となり、長い期間と多額の費用が見込まれる北側大規模造成エリアに地区公園を移し、旧中学校用地(約2・3ha)と地区公園用地(約3ha)から成る中央部エリアに一般街区等を設定することで、整備期間を短縮することが可能になるとしている。
 北側大規模造成エリアに移設する地区公園は、アクセス性を考慮し、都市計画道路幕張町稲毛町線及び検見川町花園線の交差部付近に面積を変えずに配置。造成工事量低減のため、西側は現況地形を生かして整備し、東側の切土区域は平坦な造成とし既存野球場の機能を持たせる。
 また、中央部エリアは、北側大規模造成エリアから中央部エリアへ仮換地の変更が必要となる宅地の換地先として一般街区を設定。市有地の換地は、都市計画道路検見川町花園町線に面する位置に民活による地域住民の利便施設用地を確保するとともに、旧検見川送信所施設の保存・利活用を図る用地とする。さらに、地区公園の位置変更により地区中央部エリア周辺に公園が不足するため、検見川町1号線に面した位置に街区公園を配置する計画。
 東関道東側エリアについては、現道拡幅型への計画見直しや整備展開の工夫を検討したものの、権利者負担の軽減が望めず、換地変更の合意形成など新たな負担も発生することから、地区外の接続(道路や雨水排水等)に関する整備を進めることとし、土地利用計画は変更しない。
 こうした見直しで、花見川区の未整備区域(北側大規模造成造成エリア、中央部エリア)は工事期間が約25年から約17年へと約8年間短縮できるほか、稲毛区の未整備区域(東関道東側エリア)は今後10年程度で整備できるとしている。
 また、中断移転戸数も54戸から25戸へ半減。仮住居期間や使用収益停止補償期間の短縮などで、未整備区域の整備費は約102億円から約84億円と約18億円の縮減が見込めるとしている。
 新型コロナウイルスの感染拡大もあり、事業計画変更手続き後、本年度で変更認可まで受けられるかどうかは流動的だが、事業計画変更後は、仮換地指定を経て地区中央部一般街区の整備工事、北側大規模造成エリアの建物移転調査、稲毛区域整備条件の検討に着手する予定。k_times_comをフォローしましょう
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