昨年末から年始の冬季風浪によって侵食された気高海岸(鳥取市気高町浜村)について、県土整備部は当面の対策として波除堤と消波工を整備する方針を21日までに固めた。事業費は1億3800万円。次の冬季風浪に備えるため、5月にも対策工に着手する。
浜村川河口の海岸は、風浪の影響で北西方面からの波を受けて砂浜が削り取られ、国道9号の歩道部が延長30bにわたって破損した。
復旧に向けては国道部分を国交省、海岸部を県が役割分担する。
今年2月、設置された対策検討会(座長・黒岩正光鳥大院工学研究科教授)に示された被災原因では、周波の長い高波が浜村川左岸に沿って伸びる導流堤に当たり、「反射波」と導流堤の「沿い波」が合わさって砂浜を洗い流した。
このため同部は、砂浜から40b離れた位置に延長約30b、幅26〜35bの波除堤を整備して波を減勢させるとともに、導流堤の根元には消波ブロックを設置して養浜する。捨石をマウンド上に整備する波除堤の事業費は8500万円、導流堤根固め部の事業費に5300万円をそれぞれ見込んだ。
同部は24日招集予定の臨時会に単県公共事業費を補正要求。5月にも鳥取県土整備事務所が「港湾工事」として発注する。
また、国道の防護は国交省が直立堤を整備するほか、前面にサンドパックを配置する。
これら対策工について、同部河川課は「次期冬季風浪までに効果を発揮できるようにしたい」と話している。
日刊建設工業新聞