新県立体育館の整備を巡り香川県は、メインアリーナのリング縮小や観客席開口部への可動間仕切り壁の設置、冷却塔と駐輪場の配置位置変更など、実施設計への移行に伴って見直した施設内容を明らかにした。建設コストの縮減や騒音の抑制などの効果を狙ったもので、今後、施設内部の仕上げや設備機器の配置・仕様などについての検討を進めつつ、維持管理・運営に関するコストの算出などを行っていく。並行してデッキやアーケード、キャノピー整備といった歩行者のアクセス利便性を向上させるための周辺整備についても検討していく。
新県立体育館は高松市サンポート5他の敷地3万1337平方bに、鉄骨一部鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て延べ3万0019平方bの規模で建設する。
基本設計の段階から見直したメインアリーナのリングは、外壁とドーム状の屋根をつなぐ部分(正円)で、直径を118bから「116b」に縮小。アリーナ周辺の傾斜勾配を緩やかにするとともに、屋根面積や周囲長さが減ることで建設コストを縮減する。観客席の開口部6カ所には可動間仕切り壁を設置することで、警備や空調の効率を高める。
武道施設兼多目的ルームについては、冷却塔の位置を西側から遠ざけて騒音を抑制し、駐車場と駐輪場の管理区分を明確化する。
新体育館はメインアリーナ(固定席5024席、最大収容人数1万人)とサブアリーナ(固定席1032席)、武道施設兼多目的ルーム(固定席315席)で構成。メインアリーナはコンクリート床として大型トラックの通行を可能にするなどコンサートやMICE利用も想定した施設・設備整備を行う。車いす対応のエレベーターや多目的トイレ、キッズルームなども設置する。基本設計・実施設計はSANAA事務所(東京都江東区)の担当。
工期に32カ月間を見込み、2021〜23年度で施工する。建設工事費を181億8600万円(税込み)と試算している。
利用者のアクセス利便性を高めるための周辺整備については、高松市が設置し県も参加する都市再生協議会で詳細を検討し、市がサンポート高松周辺の都市再生整備計画を作成。これに基づき本体工事とは別に、国の補助制度を活用して事業を進める。
提供:建通新聞社