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建通新聞社(東京)
2020/04/20

【東京】都 4月補正予算に3574億 緊急対策で

 
東京都は4月15日、総額約8000億円規模の「東京都緊急対策(第4弾)」を策定した。リーマンショック(約1861億円)や東日本大震災(約1374億円)時の緊急対策を大幅に上回り、過去最大規模となる。このうち、中小企業への融資やテレワーク環境の整備など6月までに着手すべき事項として、総額3574億円を2020年度4月補正予算案に計上した。7月以降の対策については、5月中旬をめどに補正予算を取りまとめる予定。
 今回の補正予算は、▽新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する対策(1455億円)▽経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化(2007億円)▽社会構造の変革を促し、直面する危機を乗り越える取り組み(112億円)―の三つを柱に構成した。
 「感染拡大を阻止する対策」の内訳は、感染拡大防止に協力する事業者への協力金(960億円)を中心に据え、感染症対策に関連する機械設備を導入する中小企業への支援として10億円を確保した。
 「経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化」では、中小企業の事業継続のための支援策を打ち出した。中小企業制度融資などに1964億円を充てる。加えて、事業継続計画(BCP)を策定するための支援講座を拡充し、BCP対策に関する備品と施設整備費用を補助。事業継承と経営安定化のための事業継承支援助成金も拡充する。
 税制面では、中小事業者が所有する事業用資産の固定資産税などの軽減措置を図る。21年度課税の1年分に限り、償却資産と事業用家屋の固定資産税、都市計画税の負担を2分の1またはゼロにする。また、土地区画整理事業などの移転資金貸付金を納付期限内に返済することが困難と認めた場合は、最長で1年間、納付期限を猶予する。
 「社会構造の変革を促し、直面する危機を乗り越える取り組み」には、デジタルテクノロジーを活用し、人と人との接触を可能な限り避けながら、経済活動や生活を維持することを目標とした予算を設定。東京の「デジタルトランスフォーメーション」を加速し、東京の暮らしの質向上や生産性向上、産業の高付加価値につなげたい考え。
 企業に対しての具体的な施策としては、テレワーク機器等を整備した企業への経費を助成する他、都内中小企業にテレワークを体験できるツールを無償貸与することにより、テレワークのメリット・効果を体験できる機会を積極的に提案していく。
 
提供:建通新聞社