市原市は、庁舎等の将来的な整備方針を決定したのを受けて、16日、庁舎等整備基本計画策定支援業務委託の公募型プロポーザル募集要項を公表した。2018年2月に供用を開始した第1庁舎(防災庁舎)以外の既存庁舎等全棟を建て替えることとし、20〜21年度の2か年で基本計画を策定するのに伴い、支援業務を委託する。履行期限は22年3月25日。契約上限額(税込み)は総額1億982万8400円(20年度4569万2700円、21年度6413万7700円)以内。
単独企業または共同企業体とし、単独企業及び共同企業体のいずれにおいても、協力会社の使用を認める。参加資格要件は、過去10年間(10年度〜19年度)に、国または地方公共団体等の庁舎建設に係る基本構想策定、基本計画策定または基本設計に関する業務を元請として履行した実績を有すること等。共同企業体の構成員数は2者または3者とする。
5月12日に参加表明書の提出を締め切り、同14日に業務提案書等提出要請書または事前審査結果通知書を送付。業務提案書等の提出を要請された者は、5月15日から6月1日までを期間として業務提案書等を提出。その後、6月5日の審査会(プレゼンテーション)を経て、同10日に受託候補者及び審査経過を公表し、同19日に契約を結ぶ予定。事務局は、総務部総務課庁舎管理係。
整備方針に掲げる庁舎の実現に向け、現状と課題、整備の必要性・考え方、具体的に庁舎に配置する機能や整備規模、周辺公共施設との機能集約やPPP/PFI手法の導入可能性を含めた財源など、設計の前提となる庁舎の規模や機能、建設計画に関する基本的な考え方を整理。それを踏まえて、市民や議会の意見を聴きながら調査、検討を行い、庁舎整備の基本計画を作成する。
業務内容は、@庁舎等整備基本計画策定業務A庁舎強靭化対策検討委員会等の運営支援B市民参加手法の提案及び実施C市民説明会・パブリックコメントの実施支援。
庁舎等整備基本計画策定業務では、庁舎整備の基本的な考え方や庁舎の基本指標(規模・品質・コスト等を定めるための指標)を整理するとともに、庁舎機能に関して、第1庁舎との機能分担、周辺公共施設との機能集約(周辺公共施設の状況、集約可能な機能・規模)、市民の利便性、市民との協働、防災拠点(第1庁舎)との連携、行政機能関係、議会関係、環境関係(自然エネルギーの活用、LCC縮減策、LED照明、屋上緑化、木材の利用等)、ユニバーサルデザイン関係、セキュリティ関係、その他(他の公共施設との関連性、シンボル性等)を検討。
また、窓口や執務空間に関する事項や建設計画に関する事項(庁舎建設地、敷地利用計画、建築計画)、事業計画に関する事項(PPP/PFI手法の導入可能性、民間事業者の参画意向、事業手法の比較・評価、事業手法ごとの事業費及びスケジュール、ライフサイクルコスト、環境負荷低減方策、想定される財源等、設計者選定に係る仕様書等の作成、運用管理計画に関する事項、その他)についても検討する。
庁舎等の将来的な整備方針では、18年2月に供用を開始した第1庁舎(防災庁舎)以外の建物を、現在の敷地内(国分寺台中央1−1−1)で全棟建て替えるとしている。対象となる建物は、第2庁舎、エネルギーセンター(ペデストリアンデッキ)、議会厚生棟及び新議会棟。
計画では、必要面積を約1万5600u(基準面積2万4200uから第1庁舎分8600uを差し引いた面積)としてコスト計算を行い、老朽化・耐震対策に係る経費(建設工事等費用)を約84億円、既存庁舎の解体除却費用を約22億円と試算。また、60年間のトータルコストを約384億円(建設工事等費用、既存庁舎の解体除却等費用のほか改修費用約175億円、光熱水費等約103億円)と見積もっている。
現時点で想定しているスケジュールは、20〜21年度で基本計画(基本構想を含む)の策定、22〜23年度で基本・実施設計、24〜26年度で建設工事。
また、対象施設の状況は、第2庁舎(1972年竣工)がRC・SRC造地下2階地上10階(塔屋2階)建て、延べ1万8826u。エネルギーセンター(72年竣工)がRC造地下1階地下中2階建て、延べ763u。議会厚生棟(72年竣工)がRC造地上4階建て、延べ3745u。新議会棟(88年竣工)がRC造地上2階建て、延べ1098u。
市は18年度に庁舎強靭化対策基本方針策定支援業務を千都建築設計事務所(千葉市美浜区真砂3−1−2)へ委託し、2か年で整備方針をまとめた。