東京都は4月15日、新型コロナウイルス感染症の拡大抑制と都民生活・経済を支えるための「東京都緊急対策(第4弾)」を発表した。公共工事に関しては、優先して解決すべき喫緊の課題として、工事現場での感染拡大防止対策と感染者が判明した場合の考え方を示すガイドラインを早期にまとめる。長期的な経済対策では、工事入札の不調対策を実施する他、緊急かつ難易度の高い大規模工事について、早期発注に取り組む。
工事現場については、感染拡大を防ぐ取り組みに注力する。現場などでの感染拡大防止対策や、感染者が判明した場合の現場の閉鎖や消毒のための費用負担の考え方などについてガイドラインを策定する。工事受注者や区市町村などに周知する。
また、モデル的に現場でのテレビ会議システムの導入に取り組み、都の発注部局と工事現場との打ち合わせを遠隔で実施する。地域住民への工事説明会などについては、住民への周知・説明方法を工夫する。
工事への経済的な影響に対応するための対策もまとめた。人手不足などによって労務費が増加したり、サプライチェーンが寸断して資材などの調達に支障が生じた場合でも、設計変更、工期延長、工事中止、工事期間中の支払いなどの対応を柔軟に行い、工事の円滑な推進が図れるような環境整備に努める。具体的な方策については、今後、区市町村や工事関係者などとの連絡協議会をテレビ会議などで緊急開催し、協議する。
この他、工事契約の入札手続きの不調対策を実施するとともに、緊急かつ難易度の高い大規模工事は早期発注する考え。手法や対象案件についてはこれから詳細を詰める。
加えて、民間工事への経済支援にも取り組む。耐震化、不燃化、区画整理、再開発など街の安全性や利便性を高める事業に対し、助成などで支援するための検討を始める。
提供:建通新聞社