建設新聞社
2020/04/15
【東北・秋田】西松建設に決まる/秋田県仙北市 ECI初採用の抱返頭首工
東北農政局は、初めてECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式を採用する田沢二期農業水利事業の抱返(だきがえり)頭首工整備工事および技術協力業務について、WTO対象の公募型プロポーザルで事業者を選定した結果、西松建設に決めた。プロポーザルの参加者等は現時点で非公表。
特定日は3月18日付けで、その後に技術協力業務について同26日に見積もり合わせを行い、1965万円で4月13日付けで契約した。
ECI方式は改正品確法で仕様の確定が困難な案件を対象に、提案により予定価格を定めると規定された技術提案・交渉方式の1類型。技術協力・施工タイプとも呼ばれ、実施設計段階から施工会社のノウハウを反映する仕組み。農林水産省として2例目の発注案件となる。
抱返頭首工は、秋田県東部の田沢二期農業水利事業で仙北市角館町広久内地内の景勝地である抱返り渓谷に所在し、玉川左岸から取水して田沢疏水左岸幹線用水路に供給している。前回改修から30年ほど経ち劣化しているため補修を立案した。
当初は三祐コンサルタンツが設計をまとめ、土木工事とゲート設備を数回公告したが不調になった。このためECI方式を導入し、今回選定した事業者と基本協定を結び、本年度で技術協力業務に着手。その際、別途発注した補完設計総合技術業務の受注者(三祐コンサルタンツ)と連携して設計をまとめ、仮設計画などに施工会社としてのノウハウを反映させる。
今夏の概算要求までに工事費を算出し、3カ年国債を設定。価格交渉を経て2021年度に着工、23年度末完了を目指す。なお、選定した事業者との価格交渉が合意に至らない場合、本プロポーザルで次点だった企業との交渉に移行する。
工事内容は、固定堰の補修および取水口の耐震補強、土砂吐・取水口水門設備と付帯設備の製作据付、操作室の更新、仮設工事を予定している。
想定工事費は全体実施設計書および令和元年度単価によると概算10億円程度を見込んでいる。
提供:建設新聞社