トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(東京)
2020/04/14

【東京】東京23区 入札手続きのコロナ対応

 東京都区部の各自治体は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、工事・設計委託・物品買い入れなどの入札事務手続きについて対応を進めている。政府の緊急事態宣言と東京都が8日にまとめた措置に準じ、5月6日まで原則新たな公告は行わず、契約手続き中の案件は継続するとした区が多い中、中央区で入札公告を一部取り下げ、新宿区が設計関連委託のプロポーザルでプレゼンテーションを延期するなど、個別の判断が行われるケースも見られる。
 中央区は、4月6日に公告した2小学校・5件の工事を9日付で入札を取り下げ、申し込みのあった会社にその旨を通知した。1日公告の「中央区立宇佐美学園大規模改修」については予定通り17日まで申し込みを受け付け、5月11〜19日に入札、25日に落札者を決定する。
 新宿区では、「飯田橋駅東口周辺地区(駅前地区駅直近ゾーン)における基盤整備の方針に関する調査検討業務委託」の公募型プロポーザル手続きを中断した。3月12日まで技術提案を受け付け、3月中に予定していたプレゼンテーションを「多くの人が集まることにリスクがある」として中止。緊急事態措置の解除後、改めて日程を設定し、委託先の選考作業を再開する。手続き中の電子入札は予定通り進める方針だが、公共工事関連の該当案件はない。
 ほとんどの区が5月6日まで緊急性のあるものを除き、新規の契約手続きは行わないが、足立区は当初の計画通り公告する方針。ただ、他の区でも夏休み工事など早期の発注が必要なものについては、「予定通りに進められるよう調整していく」(目黒区)と緊急措置解除後、早急に公告できるよう準備を進める。
 一方、学校の休校が続く中、夏休みの日数は短縮される見通しで、発注に当たってこれまでにない検討が必要だ。葛飾区は現在手続きを進めている学校の改修工事を予定通り執行するが、冬休みや土日のみの工事も可能となるよう、工期を2021年3月に設定した。同区ではこうした措置を取っても職人が集まるか、コストが合うか、現場で罹患(りかん)者が出たらどうするか、などコロナウイルスに関わるさまざまな事態を懸念しており、そうした場合も「当初予算の範囲で柔軟に対応する」考えだ。
 各区契約担当課への取材で分かった主な対応は次の通り。
【千代田区】
 トイレリフレッシュ工事で部材の供給が滞り休止している現場が1件ある。材料の入荷を待ち、工事を再開する。
【中央区】
 4月6日公告の「月島第一小学校給食室改修」「有馬小学校給食室改修」を取りやめた。案件ごとに今後の扱いを検討。4月1日公告の「中央区立宇佐美学園大規模改修」は予定通り入札を実施する。
【新宿区】
 「飯田橋駅東口周辺地区(駅前地区駅直近ゾーン)における基盤整備の方針に関する調査検討業務委託」の公募型プロポーザルでプレゼンテーションを延期した。
【文京区】
 現場の一時中止や延期の申し出が複数件ある。基本的には認める方針で、緊急性の高い現場は担当所管とも協議して対応を決める。
【足立区】
 今後公告を予定している案件は当初の計画通り発注・入札を行っていく方針。現場がストップすることによる影響も大きいため。
【目黒区】
 今後、事業延期の必要がある場合も、夏休み工事などの案件については予定通りに進められるよう調整する。
【練馬区】
 4月1日以降に公告した「大泉小学校トイレ等改修工事」など17件の一般競争入札は予定通り実施する。 
【北区】
 一部工事で部品や資材の調達に遅れが確認され、さらなる影響が予測されるものについては工期の延長を検討する。当面は予定通りに入札手続きを行う。
【荒川区】
 給排水衛生関連の部材が入手できず、事故繰越制度を活用して工期を延長している案件がある。

提供:建通新聞社