民間航空機が就航している県内8空港では、施設拡張や安全運航に必要な施設整備を継続する。国からの補助により奄美空港と徳之島空港で滑走路端安全区域(RESA)等を予定。県単独では屋久島空港の滑走路延伸に向けた基本計画の確定を目指すほか、直轄の鹿児島空港では、CIQ施設や誘導路改良等の整備を計画している。
RESAは、航空機が離着陸する際に滑走路終端を越えて逸脱する「オーバーラン」、または着陸する際に滑走路進入端よりも手前に接地する「アンダーシュート」を起こした場合に、人命の安全と航空機の損傷を軽減するため、着陸隊の両端に設けられる区域。
既存空港では旧基準(L40m)となっているが、国際基準の勧告を受けて改定を行い、全ての空港に現基準(L90m)を適用することになった。県内では鹿児島空港が直轄により整備が進められ、県管理の7空港が最小範囲(L90m)未満のRESAしかない。
奄美空港では6億700万円を投入し、用地造成や無線施設のほか、照明施設、気象装置等を予定。徳之島空港は3億6700万円を予算化し、RESAのほか無線施設を整備する。
また、喜界空港では2億500万円の配分があり、17年度からの滑走路(1200m)の改良を継続。沖永良部空港は1億1400万円で電源施設等の整備を行う。
事業化に向けた屋久島空港滑走路延伸(7500万円)は、PI(パブリック・インボルブメント)の結果を踏まえ、環境影響評価や測量等を行う。基本計画案では、南東側に320m延伸。北西側は、県道を付け替えにより180m伸ばすことにより、ジェット機が就航可能な2000mとする。概算事業費は約150億円見込む。
■鹿児島空港
CIQ施設を整備
鹿児島空港では直轄と補助の合計で38億1900万円を投入する。そのうち、鹿児島港湾・空港整備事務所分は9億8300万円でRESA(南側)の用地造成と誘導路改良を見込む。
また、国際線旅客ターミナルビル増改築を国が支援して、CIQ施設を整備。大阪航空局では、無線施設や照明施設を整備。空港周辺の住宅防音工事補助等も継続して実施する。