国土交通省関東地方整備局は2020年度、渋谷駅と大宮駅、八王子駅、京急追浜駅、横浜青葉インターチェンジ(IC)、潮来IC周辺を対象に、バスタ新宿をモデルとした交通拠点施設整備の調査を開始する。今国会で審議中の道路法改正案に、バスやタクシーなどの事業者専用の「特定車両停留施設」を公共施設等運営権(コンセッション)制度の対象とする枠組みが盛り込まれていることを踏まえ、バスタプロジェクトの水平展開を目指す。
渋谷駅では、バスタ新宿のような交通結節機能強化の実現性を探る基礎的な調査を予定している。これまで、東京国道事務所が渋谷駅周辺の地下広場や歩道橋の整備などを進めており、公共交通機関の乗り継ぎのさらなる改善を目指す。
また、管内にバスタ新宿を抱える東京国道事務所では、4月から「交通ターミナル整備課」を設置。交通結節点に関する知見を集約・活用し、バスタプロジェクトを効率的に推進する方策を検討する。
この他の交通拠点についても、関東地整が現在、委託手続きを進めている「R2交通機能連携に関する検討業務」などの調査業務の中で事例研究を予定。対象は▽大宮駅の西口周辺▽追浜駅の駅前広場▽横浜青葉IC周辺▽道の駅いたこ▽道の駅とみうら―の見通し。
同調査では、自動車と鉄道、バス、タクシーなどの交通機能を連携させる方策を調べる。地元のまちづくり事業などと連携した交通拠点整備の在り方についても考える。
また、別途に関東地整が委託する「新たな交通環境のあり方に関する検討業務」の中で、自動運転などの次世代型の交通手段を具体化する際の、構造上の留意点を整理。道路構造や、異なる交通手段の分合流の処理などが検討課題となる。
調査箇所は▽さいたま新都心周辺の歩行者デッキと周辺街区▽潮来IC周辺のバスターミナル〜道の駅間▽常陸太田市高倉地区―。自動運転を活用した次世代型の交通サービスの在り方を検討する。同調査では合わせて、渋谷駅と日本橋、追浜駅の周辺を対象に歩行者空間の有効活用策も検討する。
提供:建通新聞社