岐阜県は、2020年度〜24年度までの第2期岐阜県強靱(きょうじん)化計画を策定した。第1期計画の進捗状況などを検証するとともに第1期の計画中に起きた自然災害を踏まえ見直した内容となっている。第2期計画では施策を交通・物流など12分野に分け、それぞれに5年間で進める目標値を定めた。交通・物流では県が管理する橋梁のフルスペックで耐震対策する箇所を5カ年で60カ所完了させることなどを示した。
第1期計画は19年度末に計画期限を迎えた。15年度に策定した現行計画から後に起きた災害などからの教訓や社会情勢の変化に対応し、国の基本計画を踏襲する部分と、岐阜県独自に災害経験や直近の内陸直下地震から分析した被害想定結果などを加味した内容として今回2期計画が策定された。
目標値を定めて進めていく12分野は、@交通・物流A国土保全B農林水産C都市・住宅/土地利用D保健医療・福祉E産業Fライフライン・情報通信G行政機能H環境Iリスクコミュニケーション/消防教育・人材育成J官民連携Kメンテナンス・老朽化対策となっている。
ソフト面のみの数値を示しているリスクコミュニケーション/消防教育・人材育成分野と官民連携分野を除いた各分野ごとの目標値を見ると、交通・物流分野では、主要な骨格幹線道路ネットワークの整備率を現状45%から24年度までに50%にする。また県が管理する橋梁のフルスペックでの耐震化の対策箇所を現状の152カ所から24年度までに94カ所にする。さらに県が管理する緊急輸送道路上の斜面の要対策箇所数を現状345カ所から24年度までに103カ所にする。
国土保全分野では、新五流域総合治水対策プランに基づく河川改修済延長を現状の34`から24年度までに47`とする他、平成30年7月豪雨で被災した津保川の緊急対策による改修済み割合を現状0%から24年度までに100%にする。また土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設における避難確保計画の作成率を現状44%から100%にする。さらに流木捕捉式治山ダム工の整備を現状6基から24年度までに11基とする。
農林水産分野では、決壊すると大きな影響が出るため池のうち、ハザードマップ作成などソフト対策を実施した割合を現状49%から20年度中に100%とする。この他水源林や渓畔林、奥山林などの環境保全の拡大として間伐実施面積を現況1615fから21年までに2600fにする。
都市・住宅/土地利用分野では、住宅の耐震化率を現状78%から24年度までに95%にする。
保健医療・福祉分野では、災害拠点病院や救命救急センターの耐震化率を現状の92%から21年度までに100%にする。
産業分野では、県外からの本社機能移転件数を現状9件から24年度までに21件にする。
ライフライン・情報通信分野では、ライフライン保全対策事業実施面積を現況の0fから21年度までに30fにする他、県営水道地域間相互のバックアップ機能率を82%から24年度までに100%にする。
行政機能分野では、消防団が使用する救助用資機材の整備数を現状の2635から24年度までに5081にする。
メンテナンス・老朽化対策では、14年度〜18年度に行った一巡目の定期点検で早期に措置必要と判断された橋梁の対策を実施した割合を現状35%から24年度までに100%にする。また社会基盤メンテナンスエキスパートの養成の累計人数を23年度までに650人にする。
提供:
建通新聞社