愛知県と名古屋市は3月31日、第20回アジア競技大会の選手村における、後利用事業者の公募概要案を公表した。募集対象区域は約15fとし、後利用事業計画と大会時の選手村整備について提案を求めることにしている。2020年度に公募型プロポーザルで事業者を募集する予定だが、公募時期は現時点では決まっていない。今後、公募概要案に対する民間事業者対話を実施して、公募要項をまとめる方針だ。
競馬場跡地(名古屋市港区泰明町1ノ1)の約20・7fのうち、都市基盤区域約2・8fと新場外馬券売り場約2・9fを除いた約15fを募集対象区域とする。募集対象区域内には、計4街区(1街区約5・5f、2街区約4・3f、3街区約5f、A街区約0・2f)を配置する。
応募は法人または複数の法人で構成されるグループ。
募集対象区域は▽活用用地▽暫定用地▽未活用用地―の3区分に分けて提案する。
活用用地は、後利用事業の実施を提案する。原則、募集対象区域全体とするが、区域全体での活用が困難な場合は6割以上の活用用地を提案する。区域内の各街区を複数の画地に分け、画地ごとに処分(売却または定期借地)方式の提案を認める。
契約形態は、売却方式の場合は県・市と後利用事業者で土地の売買契約を締結。定期借地方式の場合、一般定期借地(期間50年)または事業用定期借地(同20〜50年)とし、住宅などを建設する場合は一般定期借地のみとする。いずれも契約は仮換地指定後とし、所有権移転または借地の開始時期は大会終了後、組織委員会が実施する選手村に関係する解体工事の完了に合わせる。
大会前に後利用施設(集合住宅、商業施設、アリーナ、学校施設など)を建設する場合、土地は県・市から借り受ける(借地料無償)。ただし、借り受けた土地について選手村の整備・運営のため、無償で組織委員会に転貸する必要がある(借地料以外は、別途組織委員会と協議で決める)。
募集対象区域に対する提案事項は、大会後の後利用事業計画と大会時の選手村整備について求める。
後利用事業計画では、事業コンセプトなどの全体計画と、地域貢献とエリアマネジメント、持続可能なまちづくりへの取り組みなど、まち全体の取り組みを提案。選手村については後利用施設の用途、面積、配置などを求める。
現時点では、民間事業者対話の時期を含む、詳細な募集スケジュールの他、提案事項の詳細、提案に対する評価基準などが固まっていない。評価基準策定に当たっての有識者懇談会などの設置時期も今後決めるとしている。
提供:建通新聞社