神奈川県は、中小企業と小規模事業者の受注機会確保・増大に向けた2020年度施策の要点をまとめた。中小工事の早期発注による施工時期の平準化や、「いのち貢献度指名競争入札」(以下、いのち指名)の積極的な活用などを通じ、受注機会の確保・増大に努めるとした内容。ダンピング防止対策としては、最新の実勢価格を踏まえた積算に基づく適切な予定価格の作成などを挙げている。
要点では公共工事について、効率的執行を通じたコスト縮減を理由に、適切な発注ロットの設定が要請されていることを踏まえ、分離・分割発注に努めるとした。指名競争入札の実施に際しては、官公需適格組合を含む中小企業・小規模事業者の受注機会を増大させるため、極力、同一資格等級区分内の者による競争を確保する。一般競争入札の場合でも、同様の配慮を払うものとした。
中小企業・小規模事業者の特性を踏まえた配慮では、いのち指名の積極活用や施工時期の平準化の他、適切な評価手法による総合評価方式の導入・拡充、社会貢献企業や優良工事施工業者を対象とした条件付き一般競争入札(インセンティブ発注)の積極的活用を盛った。
このうち、総合評価方式については、適切な地域要件の設定や地域への精通度など、地域企業の適切な評価に努めることとしている。
新規中小企業者(創業10年未満)の受注機会増大に向けては、一般競争入札で契約の履行確保に支障がない限り、過去の実績を過度に求めないよう配慮するとした。
働き方改革への対応では、納入時期の平準化や弾力化、適正な納期・工期の確保などの工夫を通じて、事業者による労働時間の短縮や労働条件の改善を促すことにしている。
施策の要点は、昨年9月10日に閣議決定された、中小企業者に関する国等の契約の基本方針(19年度)に準じて定めた。今後、国の20年度基本方針が決定した際には、必要に応じて要点を改正する方針だ。
提供:建通新聞社