最優秀提案者に且O省設計事務所概算事業費18・4億 21年度後半に着工 波佐見町は、新庁舎建設基本設計業務プロポーザルにおける最優秀提案者等を決定。5者が技術提案書を提出し、プロポーザル審査委員会が審査。この結果、最優秀提案者に且O省設計事務所を特定した。なお、次点には褐囓F社設計を選出した。4月の早期に設計業務の契約締結を行う。2020年度前半、8月末まで基本設計を行い、その後21年度途中まで実施設計を行う予定。21年度後半から新庁舎の建設工事に着手する。新庁舎の規模はおおむね3000平方b。概算事業費は18億4000万円(税込み)となる見込みだ。
完成度の高い提案
全5者がプレゼン
プロポーザル審査委員会の委員長は、九州大学大学院芸術工学研究院環境デザイン部門の田上健一教授が務めた。このほか、長崎総合科学大学工学部工学科建築学コースの山田由香里教授、波佐見町庁舎建設検討委員会の兒玉盛介委員長、波佐見町の松下幸人副町長、波佐見町総務課の村川浩記課長といった4人が選考にあたった。二次審査は提案内容の独創性、独自性、妥当性、技術的信頼性等が評価の視点。一次の評価点合計は100点、二次は550点。二次審査では、一次審査の評価も加え評価された。
講評の中で田上委員長は最優秀提案者の且O省設計事務所に対して、「全体的にバランスのとれた完成度の高い提案だった。特に、敷地の高低差を生かした配置や平面、断面設計、『みんなの広場』・『交流ロビー』・『協働エリア』の空間的連続性や開放性は高く評価された。歩車分離・防災機能・セキュリティーゾーンの考え方も明確で、質の高いサービス提供が期待される。設備・構造を含む経済性に対する回答も十分なものだった」などと回答。大きな期待を寄せた。
概算事業費18億4000万円(税込)。このうち建設費は15億円程度の見込み。新庁舎は防災対策の拠点であるとして、町は現在の耐震基準の5割増しの構造強度設計とする方針。構造や構造種別は、設計の中で検討。階構成は、町民の利用頻度の高い窓口部署を1階に配置、町長室や防災対策本部等の中枢機能や高度なセキュリティを要する施設を上層階に配置する考えだが、具体的には未定となっている。2階建てか3階建てか、今後検討。なお、新館については新耐震基準を満たしているため解体せず、利活用を検討する。
現庁舎は1961(昭和36)年に建設され58年経過。これまでに2回の増築工事が行われたが、建物本体そして各施設の老朽化による設備の劣化が進んでいる。庁舎建設検討委員会は現庁舎の課題整理や建て替えの必要性などを4年間にわたり検討。庁舎建設に関する答申書を一瀬政太町長に提出した。