富山県立大学中央棟(新校舎)が完成し、29日に射水市黒河の射水キャンパスで竣工式が執り行われた。
学科の拡充や入学定員の増員、看護学部の新設などに対応するため、17年度から整備を進めてきたもの。式には国会議員や県議会議員、県と地元・大学関係者、設計・施工業者ら約80人が参加し、新校舎の完成を祝った。
式辞で石井隆一知事は、関係者の協力に謝意を示した上で、「完成した中央棟は魅力あるキャンパス、学生を大きく伸ばす学びの場、知の拠点としての大学の利用・整備を基本方針に、世界水準の最新の実験設備を導入した。研究環境の充実を図るとともに、学生や教員の交流を創出する明るく開放的な吹き抜けホールやアカデミックモールを配置し、外観は、アルミスクリーンとアルミルーバーを使用した特徴的なデザインとなっている」と説明。
さらに、「県立大学には、キャンパス全体を一層魅力あふれる物とし、県内外の学生から選ばれる大学として、高度な研究、有為な人材の育成、若者の県内定着を推進してもらい、地方創生の一翼を担うことを大いに期待する」と話した。
来賓を代表して、堂故茂参議院議員と上田英俊県議会議長が、ますますの地域発展に期待を寄せる祝辞をそれぞれ述べた。
柴田巧参議院議員、夏野元志射水市長、中井敏郎県立大学研究協力会長らが加わり、テープカットとくす玉開披が行われた後、出席者は施設内の会議室などを見学した。
中央棟の建設規模は、RC造(免震)地上9階地下1階建て延べ2万2211平方メートル(建築面積4927平方メートル)。高さが40メートル超となる。
1階に大講義室(400席)や地域連携センター、オープンラボ、アクティブラーニング、2階には13室の講義室が設置され、産学官が一体となって利用できる。3階以上は、研究・実験室ゾーンとして機械システム、知能ロボット、情報システム、環境・社会基盤工学、医薬品工学の学科が入り、最新設備を導入。6階までの吹抜けホールを設け、富山のアルミ技術を生かした地域のランドマークとなるシンボル的な外観となった。
事業費約84億円。1日から供用する。
設計は、三四五建築研究所・福見建築設計事務所JV。施工は▽建築=佐藤工業・塩谷建設・射水建設興業JV▽電気設備=開進堂・笹嶋工業JV▽空調設備=日広冷熱・織田JV▽給排水衛生設備=米沢工業・丸三工業JV▽情報通信設備=北陸電気工事・北栄電設JV―が担当。