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建通新聞社(中部)
2020/03/31

【愛知】名市 博物館魅力向上 ヒアリングも視野

 名古屋市教育委員会は、瑞穂区の博物館の魅力向上に向けた検討で2020年度、基本構想を策定する。東側隣接市有地を所管する財政局や交通局、上下水道局との調整も進める方針だ。財政局は、市有地の有効活用に向けた基礎調査を継続する考えで、事業者に対するヒアリングなどの実施も視野に入れる。現施設をリニューアル改修するか、隣接市有地を活用し民間活力も入れた施設整備となるかは決まっていないものの、魅力向上に向けて必要な機能などを整理・把握した上で、21年度以降の基本計画・整備手法検討に備える。
 博物館は、鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上4階建て延べ1万8107平方b。1977年の完成。構造体の残存耐用年数は40年程度以上と判定されているものの、特別展に使用できる展示室の面積が1000平方b以下と小規模で、「まちの魅力アップ」につながる文化施設とは言いにくい状況にある。また、収蔵庫は満杯以上の使用率で、容量が不足しているといった課題を抱えている。敷地は1万5100平方b。
 所在地は瑞穂区瑞穂通1ノ27ノ1。
 隣接市有地は、博物館東側に所在。もと幼稚園敷地(面積868平方b)や博物館臨時駐車場(同1034平方b)、市バス回転場(同1000平方b)といった用地がある。環状線に面する博物館とは対照的に、裏通りに面しており、低利用の状態が課題になっている。
 財政局では、同局管理敷地について19年度に基礎調査を実施。どんな利用方法が可能かアイデア段階の検討を行った。東側市有地のみ、または博物館敷地も含めた全体で活用を行う場合の比較では、全体を活用すると西側に位置する日本庭園などへの回遊性が向上するとみている。20年度の調査では、検討の熟度を上げて活用可能性を検討。マーケットサウンディングの実施までは考えていないとするものの、検討経過によっては民間事業者の考えや関心を把握することも有り得るとする。
 博物館は、機能に課題はあるものの、構造体の耐用年数があるため、現時点では隣接市有地を活用して敷地全体を民間活力で再整備することまでは決めていない。基本構想策定で必要な機能や展示構成の在り方といった構想を固めるとともに、隣接市有地を含む敷地全体の在り方を検討することで、博物館の魅力向上に向けた方向性を決めていくとみられる。

提供:建通新聞社