トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(中部)
2020/03/30

【愛知】栄角地の再開発 22年7月以降早期着工へ

 名古屋市中区栄の一等地である「栄角地」(錦3丁目25番街区)の活用事業候補者の代表構成員である三菱地所は、今後の計画についての本紙の取材に答え、「現段階で施工者は未定。今後、見積もりを徴集して決める」とした。施工者の選定に当たっては技術力の他、過去に同社に開発案件を担当した大手ゼネコンであることなども視野に入れて検討していくようだ。着工時期については、2022年7月の土地の引き渡し後、できるだけ早期の着手を目指す。開業は26年を想定している。
 設計業者については「未定」としているものの、事業提案の時点では三菱地所設計(東京都千代田区)が基本となる設計を取りまとめたことを明らかにしている。7月末以降に正式に設計業者を決め、発表する予定だ。
 再開発ビルの規模は、提案概要で地下4階地上36階建て延べ約9万9500平方bとしている。高さは約200b、容積率は約1860%としており、現時点で栄地区で明らかになっている計画の中では最大規模となる。また、地下部分は、地下1階で名古屋市営地下鉄・栄駅と接続、地下2階で「地下街サカエチカ」のクリスタル広場とつなげる計画。地下で接続する通路部分は開放感を意識し、天井高を高めに設定するもようだ。
 ビル内の構成は、地下2階〜地上4階に大丸松坂屋百貨店による高級感のある商業専門店事業を展開。4〜6階にシアターを配置する。9〜25階にイノベーション拠点やオフィス、7〜8階、26〜36階に名古屋市で初となる外資系ラグジュアリーホテルを誘致する。ホテルについて同社は、スイートルームの客室数を全客室の5%を超える高級志向のものとする考え。ホテルブランドについては「複数の海外ブランドと協議中」とした。
 事業用地は、名古屋市の市有地1823平方bと大丸松坂屋が所有する3043平方bの計4866平方b。同地は名古屋市営地下鉄・栄駅の直近で、近隣に商業ビルなどが立ち並ぶ一等地。周辺では新中日ビルの建て替えの他、大栄百貨店の再開発、百貨店「名古屋三越栄店」が入居するビルの建て替え構想など開発熱が高まっている。再開発について、三菱地所グループは事業提案の中で「栄エリア中心に位置するポテンシャルを生かし、名古屋の国際競争力向上への貢献を目指す」としており、開発に期待が寄せられる。
 同地の活用事業者は、19年9月に名古屋市住宅都市局が公募型プロポーザルで事業者を公募。3月24日に三菱地所、日本郵政不動産、明治安田生命保険、中日新聞社で構成するグループを活用事業候補者に決めた。

提供:建通新聞社