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建通新聞社(中部)
2020/03/27

【愛知】JR東海20年度設備投資 過去最大の7180億

 JR東海(名古屋市中村区名駅1ノ1ノ4)は3月26日、「安全・安定輸送の確保」など2020年度の重点施策と、関連する設備投資計画を発表した。設備投資額は連結で前年度計画比15・6%増の7180億円、単体では18%増の6880億円。リニア中央新幹線関連と、輸送サービスなどリニア以外の設備投資が増加し、連結・単体ともに過去最大の設備投資額(連結は公表を開始した08年度以降)となった19年度を、さらに上回った。設備投資額の大幅増は14年度から7年連続。近年は毎年度、設備投資額の最大額を更新し続けている。
 リニア中央新幹線の設備投資額は、前年度計画22・5%増、金額では700億円を上乗せした3800億円となった。具体的な工事については、南アルプストンネル、品川駅、名古屋駅の他、山岳トンネル、都市部非常口や中間駅などの各種工事を実施。また、高架橋工事や、都市部トンネルの掘削に向けてシールドマシンの制作と現地での組み立てなどを行う。
 中央新幹線を除いた設備投資額は、12・8%増となる3080億円。このうち安全関連投資には10・9%増となる2340億円を充てた。従来から進めている東海道新幹線の脱線防止対策や、土木構造物の大規模改修などを進める。
 このうち、重点施策の「安全・安定輸送の確保」として充てた設備投資額は、6・2%減となる1490億円。東海道新幹線の脱線防止ガードの敷設は、約59`分を行う。駅天井の脱落防止対策や名古屋工場の耐震対策、在来線の高架橋柱の耐震化なども進める。19〜22年度年度の4年間に1360億円を投入する東海道新幹線の大規模改修工事では、20年度分として400億円を計上した。
 残る重点施策では、「輸送サービスの充実」に50%増となる930億円を充当。地震ブレーキ距離の短縮や状態監視機能の強化など安全性・安定性の向上を図る他、在来線ホームの内方線付き点状ブロック取り換えなどの安全対策、バリアフリー対策を継続して実施する。内方線付き点状ブロックは、1000〜3000人乗降の未整備駅8駅への設置に着手。可動柵の設置は、新幹線・新大阪駅への設置工事を進め23〜24番線で使用開始する。在来線では金山駅(名古屋市)で設置工事を進め、上り線の使用を開始する。また、桑名駅と蟹江駅で自由通路の新設や駅舎改築を継続する他、刈谷駅でホームの拡幅と稼働柵の設置など改良に向けて準備工を進める。
 この他の重点施策では、リニア関連の技術開発に30億円、ネット予約や訪日外国人の利便性向上など営業施策の強化に200億円、技術力の強化・地球環境保全・海外プロジェクトに20億円を投入する。
 鉄道以外の関連事業の設備投資額は310億円。このうち連結子会社分は、前年度計画から21%減の300億円となった。

提供:建通新聞社