第2回鹿児島市路面電車観光路線基本計画策定委員会(石塚孔信会長・鹿児島大学法文学部教授)が26日、鹿児島市役所で開かれ、事務局が提案した10ルート案のうち、4ルート案を検討対象とすることを承認した。ルートは新屋敷交差点やいづろ交差点から本港区エリアを経由する計画で、今回新たに鹿児島中央駅を始発し、ナポリ通線を経由、本港区エリアに直結する案を設定。20年度に実施する第3回の同委員会でルートを決定する方針だ。
同事業は、これまで6ルート案で検討を重ねてきたが、19年度に実施した同委員会初会合での意見結果を踏まえ、事務局内で対象ルートを見直し、10ルート案を設定。そこから、自動車交通、交差点部にある施設等、地下埋設物−の3項目で影響度を判定し、支障が大きい6ルート案を除外した。
ナポリ通線は、委員会の前身となる導入連絡会議で地下埋設物の影響があることから対象外とされたが、中央分離帯への導入を条件に今回新たに計画に盛り込まれた。委員会は国・県・市や関係団体、市民代表ら19人で構成。同日は、各立場から活発に意見を交わし合い、消費生活アドバイザーの有山まり子さんは「ナポリ通線は観光施設も多く、10月に供用開始予定の加治屋まちの杜公園へのアクセスも良好」とし、新たなルート案に賛同した。
今後は、@必要性(交通・移動性、観光・まちづくり)A実現性(事業性・収支、物理的条件)の項目で、総合的、定量的に評価し、20年度に実施する第3回の同委員会でルートを決定する。開催時期は現段階では未定で、県の本港区エリア再開発の民間事業公募が延期されたことを考慮して決める方針。石塚会長は「コンパクトなまちづくりに市電の役割りは大きい。今後は具体的な数値を合理的に評価し、事業を進めていきたい」と話した。