富山県の第3回中央植物園新たな魅力創出検討委員会(委員長・渡辺康洋桜美林大学教授)が25日、県庁で開かれ、ウエルカムセンター(仮称)整備などを盛り込んだ「新たな魅力創出に向けた提言」を取りまとめ、石井隆一知事へ提出した。
中央植物園の魅力創出と集客力アップに向け、インバウンド対策を含む観光資源としての活用、施設の改修、運営の改善を図るもの。施策の方向性として▽情報発信力の向上▽受入態勢の向上▽さらなる魅力の創出―を設定。具体的には、入園口(導入部)においてウエルカムセンターを整備し、ギャラリーや休憩・待合・レクチャースペースを設け、インフォメーションコーナーやショップを拡充する。入園口前広場や関連既存施設の改修も進める。
屋外展示園(南部)では、ウオーキングコースを設定し、空中回廊や展望塔、野鳥観察舎の整備を検討する。このほか、トイレ洋式化、サイン類の改修、無料Wi―Fi設備の整備、広大な池の有効活用などを挙げた。
渡辺委員長は「ターゲットを決めるとともに、幅広い県民、セクションの方と手を組みながらプロモーションを進めていくことが重要」と述べ、石井知事は「若い世代や親子連れにも来てもらい、貴重な植物を残してさらに立派にしていくことも大事。各論を詰めて順次予算化し、早く実現できるようにしたい」と答えた。
中央植物園(富山市婦中町上轡田地内)は96年4月に全面開園し、面積25・4ヘクタールに約4900種を収集・展示。管理研修棟やホール、展示温室5棟、屋外展示園などを備える。