トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北海道建設新聞社
2020/03/26

【北海道】千歳市が下水汚泥処理施設で焼却廃熱発電など3方式を検討

 千歳市は下水汚泥処理施設の汚泥処理方法を見直す。焼却廃熱発電方式を採用し、2020年度に設計・施工一括で発注予定だったが、19年度の技術審査調査で、32億8000万円と試算していた総事業費が約40億円に増えることが判明。焼却廃熱発電方式、脱水汚泥委託処分、乾燥汚泥委託処分の3パターンで再検討し、11月に方向性を示す考えだ。
 美々758の140にあるスラッジセンターは、浄化センターの下水汚泥を濃縮、脱水、乾燥している。
 乾燥工程でごみ焼却施設の廃熱を利用しているが、道央廃棄物処理組合の新焼却施設が24年7月に完成すると廃熱を利用できなくなる。機械・電気設備の老朽化を改善するためにも新設を決め、18年度に焼却廃熱発電方式の採用を決めた。
 19年度は仕様書作成や事業費の見積もりに着手。類似工事の受注実績を持つプラントメーカー4社が試算した結果、当初の見込みより建設費は約10億円、年間維持管理費は約3300万円増加した。焼却設備を備える新施設が必要なことや、図面を基に細かく積算したことが影響した。
 また、コスト面や安定性・持続性などを脱水汚泥委託処分、乾燥汚泥委託処分と比較しても焼却廃熱発電の優位性が保たれていないため、再検討する。
 処理方法別の事業計画を見ると、焼却廃熱発電にした場合、設計・施工一括の発注となるため、21年度に仕様書を作成して事業者を選定。22年度に着工し、25年度の供用開始を目指す。
 脱水汚泥委託処分の場合、脱水後の汚泥をトラックで搬出するためのスペースが必要。21年度に基本・実施設計し、22−23年度の施工、24年度の供用開始を見込む。
 乾燥汚泥委託処分は、現在の処理方法と同様のため工事は不要。ただ、設備の更新が将来的に必要になる。
 再検討に関する委託費300万円は20年度予算案に計上。4月に指名し、処理方法を固める。