地すべりが再活動した智頭町大呂山の第2回検討会(座長・藤村尚鳥取大学名誉教授)が23日開かれ、崩落のシミュレーション予測結果4パターンが示された。最も規模が小さい崩落でも、場合によって土砂は下方の北股川と県道の一部に到達する。
予測は2004年の融雪期に崩壊した例をもとにシミュレーション。斜面一体を▽下腹分離ブロック(小規模分離)3万1000立方b▽下腹ブロック(小規模)9万立方b▽中腹ブロック(中規模)42万立方b▽上部ブロック(大規模)79万立方b―の四つに分け、さらに、4パターンをそれぞれ土塊の摩擦抵抗を最大と最小のケースを想定した。
現在、活動している下腹部の分離ブロックが崩壊した場合、摩擦抵抗が最大だと土砂は河道まで達しないが、最小のケースでは河道に到達し、一部は県道にまで及ぶことが分かった。
ただ、地すべり面に詳しいデータは出そろっておらず、今後、地質調査を追加実施してすべり面の形状を分析する。
また、検討会では今月16日、小崩壊した現地の状況が報告され、崩落土砂は5000立方b〜8000立方bと推定し、うち3分の2程度は斜面上部にとどまっているとの説明があった。
地元の各委員は、冬期間やバスが通行できない迂回路(林道)の脆弱さを指摘し「シミュレーション結果ごとの対策を早期に検討すべき」と要求した。
事務局の県治山砂防課によると、次回検討会は追加調査の結果がまとまる今秋に開催。現地の具体的な対策工に踏み込んでいく。
日刊建設工業新聞