京都市行財政局財政部契約課は23日、令和2年度入札・契約制度の改正等を発表した。
週休2日制の導入に向けた取組ではモデル実施を拡大。週2日の現場閉所の本格実施に向けたモデル工事の対象を、建築種目のA等級発注の新築工事全体に拡大するとともに(分離発注の電気・管工事も含む)、土木・舗装・造園種目のA等級発注工事全体に拡大する(災害復旧工事等を除く)。なお令和2年度から、営繕工事においても、週休2日達成状況に応じて補正係数を乗じる増額変更を行う予定。
工事の最低制限価格及び低入札調査基準価格の引き上げを行う。京都市における近年の実態等を踏まえ、ダンピング受注防止対策の更なる強化を図るため、工事の最低制限価格及び低入札調査基準価格における上限枠を92%から94%に引き上げる。京都市上下水道局総務部契約会計課でも同様の措置を講じる。
契約約款を改正。公共工事標準請負契約約款の改正等を踏まえ、「著しく短い工期の禁止」規定を追加するなど、市の工事請負契約書等の所要の改正を行う。上下水道局総務部契約会計課でも同様の措置を講じる。
管工事のJV適用基準の引き上げとして、事業者の入札参加を促し、競争性を一層確保するため、管工事のJV適用基準を概ね2億円から概ね3億円に引き上げる。
令和2年4月1日以降に入札公告を行う契約案件から実施する。なお営繕工事の増額変更の詳細は、令和2年度早期に別途、担当局から公表する予定。
このほか、舗装種目における等級格付の在り方について、令和元年9月に発表した通り、近年の登録業者数の急増などを踏まえ、現行3等級制を4等級制に見直す(令和2年度の等級格付から適用)などの改正を行う。
土木種目における等級格付の見直しについては、近年の登録業者数の増加などを踏まえ、「格付要件のいずれにも該当することとなった日の属する年度の4月1日から格付をしようとする期間の前日までの期間」を延長する必要性について検討する。
また上下水道局総務部契約会計課は、中間前金払制度の運用について、令和2年4月1日以降に入札公告を行う案件(又は令和2年4月1日以降に契約する随意契約)から、中間前金払又は部分払の選択時期をこれまでの「契約時」から「請求時」に見直し、併せて一部様式(「中間前金払と部分払の選択に係る届出書」及び「中間前金払申請書」)を廃止する。ただし、令和元年度以前に契約済みの案件はこれまで通りの運用とする。
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行財政局財政部契約課は24日、令和2年度入札・契約制度の運用の見直しを発表した。
設計図書に対する質疑の見直しについて、回答公表後における事業者の検討期間を確保するため、予定価格4億円以上の工事を対象に、原則として質問締切日を「入札初日の12開庁日前」に、回答公表日を「入札初日の7開庁日前」に、それぞれ2日ずつ前倒しする。上下水道局総務部契約会計課でもほぼ同様の措置を講じ、原則として、公告から入札初日の前日までの期間を20日間とし、質問締切日を「入札初日の12開庁日前」に、回答公表日を「入札初日の7開庁日前」にする。
事業者登録・更新時に求める建設業許可証明書の見直しについて、令和2年度から建設業許可証明書の請求が原則として更新申請とに1回1枚に限定されることから、事業者登録・更新時に求める同証明書の写しについて、「受付時に有効」なものに見直す(これまでは「発行時期が受付期間の初日から3ヵ月以内」に限定)。上下水道局総務部契約会計課でも同様の措置を講じる。
試行の本則化では、低入札価格調査制度における失格基準価格の設定(低入札調査基準価格に100分の98を乗じて得た額)と、特定建設工事共同企業体(JV)による共同施工方式の事後確認型一般競争入札の2つの事項について、これまでの試行結果を踏まえ、本則化を行う。なお総合評価方式におけるランダム係数の適用除外は、引き続き、試行と位置付ける。低入札価格調査制度における失格基準価格の設定については上下水道局総務部契約会計課でも同様の措置を講じる。
低入札価格調査における入札の取扱いの見直しとして、円滑な入札執行を促進するため、調査基準価格を下回る価格で入札した事業者が提出する調査関係資料の提出期限を「開札日の翌日から起算して2開庁日目の午後5時」から同日の午後3時に変更し、併せて調査基準価格以上の価格で入札した事業者(予定価格を超過した事業者を含む)も入札辞退届を認めることととする。上下水道局総務部契約会計課でも同様の措置を講じる。
事業者登録・更新時に求める建設業許可証明書の見直しは、令和2年10月1日の事業者補充登録から実施。それ以外は令和2年4月1日以降に入札公告を行う契約案件から実施する。