県総合企画部政策企画課は、「第2期千葉県地方創生総合戦略」の骨子となるコアプランをまとめた。本年度末で期間満了となる現行戦略を延長し、地方創生の実現に取り組む。計画期間について2020〜24年度の5か年とし、今後5年間で取り組む目標や施策の基本的方向を定めた。昨年の台風や大雨による深刻な被害等を踏まえ、人づくりと仕事づくりを新たに「横断的な目標」として加えた。戦略は本年7月ごろを目標に策定する。
総合戦略は人口ビジョンと総合戦略で構成。人口ビジョンは60年ごろまでの約50年間を見据えた計画とし、総合戦略は20年度からの5か年を計画期間とする。
人口ビジョンは、本県における人口の中長期的な展望等を踏まえ、目指すべき将来の基本方向を提示。本県の将来人口については、60年後の総人口を、15年と比較し138・6万人(約22%)減少の483・7万人と試算。生産年齢人口が約53%減少する一方で、高齢化率は約37%まで上昇するとした。
総合戦略は、昨年の房総半島台風や東日本台風、10月25日の大雨による被害等を踏まえ、これまでの@地域経済の好循環を生み出す環境づくりA県内外に発信する魅力づくりB子育てしやすい社会づくりC誰もが安心して暮らせる地域づくり――の4つの基本目標に、新たに「復興と更なる発展に向けた力強い千葉の人と仕事づくり」を横断的な目標として加えた。
横断的目標では「活力ある千葉を支える人づくり」と「次世代の千葉を支える仕事づくり」に取り組む。仕事づくりでは、京葉臨海コンビナートの生産性向上や事業環境の改善、生産・加工・流通施設の整備や省力機械の導入支援など力強い産地づくりに取り組むほか、洋上風力発電、水素の利活用など新エネルギーなどの利活用や導入を促進する。
また、地域経済の環境づくり(基本目標1)では、成田空港・アクアライン・圏央道・千葉港等の活用や、空き公共施設等の活用による企業誘致、新たな産業用地の確保などに取り組むとともに、圏央道・北千葉道路の整備促進など交通ネットワークの強化・充実や、主要都市間の交通アクセス整備、国道・県道のバイパス・現道拡幅などへの取り組みを進める。
魅力づくり(基本目標2)では、МICEの誘致、観光地のトイレ・駐車場等の整備、観光施設等のバリアフリー情報発信、観光地へのアクセスを強化する道路整備、地域高規格道路など地域間のアクセス強化などを推進。
安心して暮らせる地域づくり(基本目標4)では、地域防災力の向上を図るとともに、人口減少・少子高齢社会に対応した社会づくりを進める。具体的な施策では、公共施設の適正な維持管理、バリアフリー化、空き家利活用の促進、コンパクトなまちづくりなどに取り組む。