京都市交通局は18日、市営地下鉄烏丸線の全ての駅に可動式ホーム柵を設置する計画を発表した。
烏丸線では烏丸御池駅、四条駅、京都駅の3駅で先行して整備した(3駅の可動式ホーム柵基本設計は阪急設計コンサルタント、可動式ホーム柵設置工事実施設計、同工事監理はパシフィックコンサルタンツ、設置工事は三菱電機が担当)。
4駅目は北大路駅で設置する計画で、令和2年度から3年度にかけてホーム柵等の設計を進め、3年度に工事契約を締結し、柵本体の製作に着手する。4年度にかけて柵本体の製作を行い、4年度に設置工事を行い、4年度中の供用開始を目指す。
仕様は、挟み込みを防止する立体検知型の支障物センサーや、車掌が車外の乗客に直接注意喚起できる放送設備を備えるなど、既に設置している駅と同じとする予定。
総事業費は約3億6700万円。このうち令和2年度予算に設計費1960万円を計上した。
残る11駅への設置に向け、自動で定位置に停車する自動列車運転装置(ATO)を搭載した新型車両の設計に着手した。これに加え、相互直通運転を実施している近畿日本鉄道鰍フ車両を含め、烏丸線を走行する全ての車両にATOを搭載する必要があるが、近鉄の協力を得て、近鉄が自社の車両(10編成)の改造を行うことや、長期的に交通局の費用負担の軽減を図る方策(ワンマン対応可能な仕様とし、人件費を抑制)についてもメドがついた。
交通局、近鉄がそれぞれATOを搭載する車両改造を行い、自動で定位置に停車可能な環境を整えた後、順次未設置の11駅にホーム柵を設置する。
ホーム柵の全駅設置後は、既に柵を設置している駅を含め全ての駅で車両の扉と柵の扉が連動して開閉可能な仕様とする。
令和3年度〜5年度にATO信号設備設置、3年度〜7年度に交通局車両9編成の新造(ワンマン仕様含む)、4年度〜9年度に交通局車両11編成の改造(ワンマン仕様含む)、6年度〜8年度に近鉄車両10編成の改造(ワンマン仕様含む)を行う。
これに並行して令和6年度に基本設計、7年度に実施設計を行い、8年度から10年度にかけて順次据付工事、電気工事などを行い、9年4月以降順次供用を開始し、10年度中の全駅供用開始を目指す。
11駅の設置費用は概算で約110億円(交通局車両改造30億円、近鉄車両改造28億円(交通局負担)、可動柵設置費用等52億円)を見込む。