名古屋市交通局は、地下鉄駅のエレベーター増設で2020年度、伏見駅と御器所駅を対象に設計を委託する他、21年度以降に設置を検討していく駅を優先付けするための基礎調査を行う考えだ。基礎調査結果を踏まえて、21年度以降に利用実態調査を実施し、23年度までに整備方針・計画を決める見通し。
全ての地下鉄駅には、地上部に出ることができるエレベーターが少なくとも1ルートある。現在、増設工事は、名古屋駅、栄駅、今池駅で実施中(名古屋駅は3月に供用開始予定)だ。3駅は2路線が交差する12駅のうち、エレベーターがないと改札内で乗り換えができない駅のため、先行して整備している。
20年度に設計を開始する伏見駅と御器所駅は、地上へ出るエレベーターが1基しかない交差駅6駅のうち、多数の人が利用している方面にエレベーターがない駅として選定した。20年度に設計をまとめ、21年度以降の工事発注に備える。また、本山駅も23年度までに設計を開始する考え。
今後設置を検討していく駅を優先付けするための20年度の基礎調査は、全駅を対象にホームから出入り口までの距離や高低差といった事項に加え、駅周辺の福祉施設や集客施設などの立地状況、利用者数といったデータを収集する。21年度以降の利用実態調査は、高齢者・車いす利用者数や出入り口ごとの利用者数、既存エレベーターの利用者が向かう方面について調査する考え。
提供:建通新聞社