滋賀県商工観光労働部は、「信楽窯業技術試験場」の新設工事について、工事の発注を6月から7月に実施する。着工は9月頃を予定しており、工期は21年(令和3年)9月末までの約1ヵ年。県は新施設完了後、現在の試験場を解体撤去し22年度(令和4年度)からの供用開始を目指す。
計画は、新設予定地となる甲賀市信楽町勅旨2200―5他の敷地3473平方bに▽本館棟・S造2階建、延782平方b、(1階は主にイベントや展示等が行われる展示スペース、会議室、図書資料室、職員室等。2階は分析やデザインなど行えるスペースを設置)▽別館1棟・W造平屋建、延720平方b、(主に作業場となっており、粘土作りから焼場まで行える、ろくろ成形室、湿式粉砕室、ガス焼成室、原料倉庫等)▽別館2棟・RC造平屋建、延90平方b、倉庫、排水処理施設―等が新設される。また、所管のモノづくり振興課は内壁仕上材の一部にCLT部材を使用する方針。県は、信楽観光の玄関口として多くの人々が訪れる地理的優位性を活かし、陶芸の森や甲賀市との連携による機能発揮と新たな取組を期待している。
現在の信楽窯業技術試験場は、甲賀市信楽町長野498に位置し、66年(昭和41年)に建設。敷地面積7561平方bに▽本館・RC造2階建、延608平方b、▽開放試験室及び試作成形室棟・RC造2階建、延576平方b、▽固形鋳込成形室棟・RC造平屋建、91平方b、▽肉厚大物乾燥室棟・S造平屋建、63平方b、▽調土室棟・RC造2階建、延698平方b、▽第1焼成室棟・S造平屋建、612平方b、▽第2焼成室棟・S造平屋建、201平方b、▽その他(車庫、電気室等)延395平方b―等が整備されている。
業務は製品試験などの技術支援や窯業技術者の研修、技術開発など。老朽化から当初は現地建て替えが検討されたが、地元などから陶芸の森と連携を強めることで、商品開発力や情報発信力が高まるとして、同森近辺の移転が要望されていた。
また、概算事業費の内訳は、調査・設計費(基本・実施・地盤調査)が4000万円、建築設備費(建築工事・電気設備・機械設備・工事監理)が7億4000万、移転・解体費(設備機器移設・解体工事)が2億1000万円―以上の計9億9000万円。
なお、設計はキタイ設計が担当している。
提供:滋賀産業新聞