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日刊建設工業新聞
2020/03/18

【鳥取】4月から土木系工事/調査基準価格の算定式改正

 予定価格2億円未満の土木系工事について、県土整備部は調査基準価格の算定式を見直す方針を17日までに固めた。会社経費に相当する一般管理費の補正率を引き上げ、調査基準は大半の工事で予定価格の92%台となる。4月から施行する。
 同部は18年度から低入調査制度の全面実施に伴って調査基準の算定式を公表。当初、予定価格のおおむね92%と説明していたが、実際には92%を下回る工事が続出し、県建設業協会から改善の指摘を受けていた。
 その後、18年12月に算定式を一部改正したものの依然、平均91・5%の水準にとどまっていた。
 一般管理費を巡り同部は、喫緊課題の担い手育成やICTといった新技術の導入に向けて、企業経営には必要な経費と判断。今回の改正で予定価格4000万円以上の一般管理費は係数0・45から0・50、4000万円未満は係数0・55から0・60に引き上げ、現場管理費の補正係数αとβもそれぞれ上方修正する。併せて労務費係数は撤廃する。
 これによって、同部は「大方の工事で調査基準は予定価格の92%台を確保できる」(県土総務課)と説明。名実ともに“おおむね92%”となった水準(上限93%)は、全国トップクラスで、平均落札率も94%台に乗るものとみている。

大規模災害時
「受注額」対象除外も

 また、同部は17日、災害復旧工事の入札不調対策をまとめた。一昨年の西日本豪雨災害で相次いだ不落札を踏まえ、総合評価の「受注額」減点に特例措置を講じる。
 平成最大の被害額となった西日本豪雨規模の災害時、部長が必要と認めた場合に限り、指定した災害復旧工事の「受注額」を加算対象外にできるようガイドラインを改正する。早期復旧に協力する意向があっても、「受注額がネックとなり応札できない」といった業界の声に備える。
 災害復旧工事の予定価格公表についても、受注者側による積算の負担を軽減するため、各発注機関の判断で事前公表が可能になるよう改正する。
 今後、同部は調査基準価格の見直しと災害復旧工事の不調対策を19日の県議会常任委員会に報告。4月10日以降の調達公告から適用する

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