甲賀市は、甲南地域にある公立保育園4園のうち、希望が丘保育園を除く3園を統合し、新たに私立の認定こども園を設置する方針で新年度〜21年度内に事業者を選定する。
新年度当初予算案には、事業費150万円を計上、主に検討・調査調整費に充てられる見通し。市は、新年度内に建設候補地を選定し、甲南地域保育園実施計画検討協議会に提案。意見がまとまり次第、市議会・市民への報告と進め、それらを終えた後、事業者募集と手続きを踏む。なお、水口東・岩上保育園及び伴谷幼稚園・保育園統合整備の際に活用した、民間事業者から意見・提案を受けるサウンディング型市場調査は前回実施分で市場のポテンシャルは一定の理解が出来ていることから今回実施しないとのこと。
統合対象は、▽甲南西保育園(S造平屋建、529・74平方b)▽甲南東保育園(S造平屋建、447・17平方b)▽甲南南保育園(S造平屋建、529・74平方b)―の計3園。それぞれの施設は老朽化が著しく、厳しい財政状況から過年度に施設修繕を実施し最低限の整備は行っているものの、建物自体の耐震性に不安があることや、今後の地域の園児数の推移などから、過年度に甲南地域保育園再編検討協議会(奥村容久委員長)を立ち上げ、同地域の保育園のあり方を検討。結果、同地域においてはランニングコスト等から個々の施設整備を進めていくより、最新施設・設備を有す安全強度の高い認定こども園を設置することが子どもたちのより良い保育・教育につながるとの考えをまとめ、市に報告書を提出。市で精査した結果協議会に賛同するとのことから同地域の認定こども園を設置することを決定し、更に具体的な協議を行うために甲南地域保育園実施計画検討協議会をこのほど立ち上げた。
市は、子どもの育ちをめぐる環境の中で、▽核家族化の進行▽兄弟姉妹数の減少▽家庭や地域における人と人とのつながりの希薄化―などの全体課題と、老朽化が進行している教育施設が市内に多くあることなどの問題点をふまえ、解決に向けた取り組みを着実に進めるためには園・学校の統合は避けては通れないと判断、24年度まで有効の「甲賀市幼保・小中学校再編計画」を15年度に策定し解決に向けた施策の展開を図ってきた。今回の統合は再編計画に沿って協議されたもので、新しく整備される施設には地域の防災拠点施設としての機能を加えると同時に、園の役割を終える施設跡地については、まちづくりの観点から総合的な活用を地域と検討し、教育の観点だけでなく、地域の活性化に寄与する施策となるよう配慮していく。
提供:滋賀産業新聞