県病院局は、がんセンター施設整備事業に伴い、新年度から2か年で既存病棟の改修工事を実施する。対象は緩和ケア病棟と東病棟。年度事業費3億3039万6000円を計上するとともに、開院準備支援事業などと合わせ限度額27億8300万円の債務負担行為を設定した。工事着手は、新棟が完成し、開院する秋以降となる見通し。既存病棟改修後には西病棟の解体等を2022〜23年度の2か年で実施する予定だ。
改修する建物規模は、緩和ケア病棟がRC造2階建て延べ約1460u、東病棟がRC造地下1階地上5階建て延べ約4045u。東病棟は、病床を新棟に移設するため、会議室、図書室、研究部門などとして使用する予定。また、既存棟改修後に解体する西病棟の建物規模はRC造地下1階地上6階建て延べ約4785u。
同事業では新年度、新棟の竣工・開院に向けて、建設工事や既存病棟の改修工事を進めるとともに、必要な医療機器の整備、医療情報システムの構築などを行う。事業費は新棟医療機器等整備事業51億8536万1000円、既存棟改修工事3億3039万6000円、開院準備支援事業2523万円の総額55億4944万円と、ほかに限度額27億8300万円の債務負担行為。債務負担行為はほぼ既存棟改修工事が占める。
17年度に着工したがんセンター新棟は当初、本年3月19日の竣工を予定していたが、建設現場でコンクリート塊等の地中埋設物が多数発見され、その処理に時間を要したことから、工期を本年6月30日までに延長した。これにより開院も今秋にずれ込むことになった。
新棟の建物規模はRC造地下1階地上9階(塔屋1階)建て延べ4万9334u。構造は免震構造。病床数は既存の緩和ケア病床を含め450床。実施設計は日建設計(東京都千代田区飯田橋2―18―3)が担当。施工は、建築をフジタ・畔蒜JV、空調設備を東熱・一工・京葉JV、衛生設備を斎久・芝JV、電気設備をきんでん・フィデス・小峯JV、ガス工事を東京瓦斯がそれぞれ担当。
同事業は、がん治療の中核的役割を担うがんセンターについて、将来のがん患者の増加に対応できる施設規模を確保するとともに、診療機能の強化を図り、より高度で良質ながん医療を県民に提供することを目的に進められている。