大阪市は、2020年度の新規事業として緊急交通路の無電柱化事業に着手する。20年度は当初予算案に約5億円を計上し、大阪生駒線の実施設計や築港深江線などの工事に着手する方針だ。
市では昨年3月、電柱倒壊などによる道路通行機能の低下を防ぐため、19〜28年度を計画期間とする「無電柱化推進計画」を策定した。これに沿って広域緊急交通路を中心に整備を進め、長期的には市内の全幹線道路の14路線、計約760`を無電柱化していく方針だ。
14路線のうち、築港深江線(大阪市港区〜城東区)、福島桜島線(大阪市福島区〜此花区)、大阪生駒線(大阪市城東区〜奈良県生駒市)の3路線については、最優先して電線共同溝整備を進める。このため、20年度は築港深江線(整備延長=片側60bの計約120b)、福島桜島線(〃)の工事、大阪生駒線(対象延長=約2500b)の測量・設計を予定している。
市の電線類地中化の進捗状況は、市管理の幹線道路延長約760`のうち、19年3月までに延長約191`を整備済み(進捗率は25%)。今後、長期的な目標として幹線道路760`全ての無電柱化を推進する他、幹線道路以外についても、都市防災や魅力向上の観点から必要な路線を整備していく。
また、1`当たり約4億〜5億円の整備コストがかかることなどの課題を踏まえ、小型ボックス活用埋設などの低コスト手法の導入を検討していく。ただ、20年度の工事実施箇所については、従来の工法で施工する予定だ。
提供:建通新聞社