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建通新聞社(東京)
2020/03/11

【東京】小池知事 区市町村道の電柱新設区域指定を拡大

 3月9日に開かれた東京都議会予算特別委員会では、各党の代表者が2020年度の都の政策や施策展開について質問し、小池百合子知事や各局の局長が答弁。無電柱化の推進について小池知事は、区市町村道での電柱新設禁止の区域指定を拡大していく意向を示した。シンボルロード整備事業に関しては、三浦隆建設局長が答え、有識者会議での検討結果を基に20年度早期に新たな整備方針を策定することを明らかにした。
 無電柱化について小池知事は「電柱を増やさない取り組みと、電柱を減らす取り組みの二つが必要。これを実現するため、無電柱化推進条例を制定し、都道全線で電柱の新設を禁止するとともに、無電柱化推進計画を策定して整備を進めてきた」とこれまでの取り組みを紹介。その結果、「19年度末にはセンターコアエリア内の都道の無電柱化はほぼ完了する」との見通しを示した。
 さらに、都内の道路(延長)の約9割を占める区市町村道については、「無電柱化チャレンジ支援事業などの財政支援を行い、電柱を減らす取り組みを進めてきた。電柱を増やさないため、都の電柱新設禁止の取り組みを区市町村道に広めていくよう、その意義や効果、ノウハウを共有する働き掛けも行っている」と述べた。
 昨年8月には都内で初めて日の出町で、今年3月には区部で初めて中野区で、それぞれ電柱新設禁止の区域指定が行われた。こういった動きに関して小池知事は「区市町村との会議を開き、知事が先頭に立って無電柱化の推進を呼び掛け、指定区域の拡大など東京の街から電柱が姿を消すよう、力強く取り組んでいく」と述べた。
 また、道路の面的バリアフリーについて答弁した三浦建設局長は、「国や区市と連携し、東京2020大会の競技会場や観光施設などの周辺で、道路の面的なバリアフリー化を進めている。昨年7月にバリアフリー法に基づく特定道路として、都内で新たに延長約500`が指定された」と説明。その上で、「区市町村道のバリアフリー化を促進するため、都は特定道路を対象とした補助制度を20年度に創設する」と答えた。
 三浦局長はさらに、都が進めているシンボルロード整備事業について「地域の歴史的・文化的施設などと道路空間との調和を図り、誰もが歩きやすく快適な歩行空間を創出する」と目的を説明。一方、「事業開始から約30年が経過し、都内各所で新たな都市開発が進むとともに、訪日外国人の増加など地域の状況が大きく変化している」と述べ、「今後、事業を実施すべき箇所や事業手法について検討するため、昨年11月に学識経験者らで構成する検討会を設置した。整備を進めていくべき路線の考え方や整備項目、デザイン、整備手法などについて検討を進め、20年度早期をめどに新たな整備方針をまとめる」との意向を示した。
 民間の水道事業者の技術力の維持・継承について尋ねられた中嶋正宏水道局長は、「水道事業は管工事など民間の事業者に支えられており、その技術力を維持・向上させていくことは、“持続可能な東京水道”を実現するために不可欠だ」と強調。水道局では現在、局の研修施設を活用して配水本管工事技能者の技術力の維持・向上に取り組んでいるものの、「労働人口の減少によって工事業者も減少傾向にある。技術力の確保に苦慮しており、抱えている課題も多様化している」ことから、「よりきめ細かな技術支援策を実現するため、工事業者に対して技術力の維持・向上に関するアンケート調査を20年度早期に実施し、ニーズや実情に即した実効性の高い技術支援策をまとめる」と答えた。

提供:建通新聞社