近江八幡市が計画している市営土地改良事業「八幡西中前農道整備」は、市の今年度当初予算で見積った額より増額で復活し、19年度(令和元年度)予算で工事費約1億5000万円を確保した。
市は、財源の当初内示額が約9700万円減となったため、既に今年度の着工は断念し、拡幅用地(水田)のもう1期の作付けが決定しており、着工は今秋収穫後に持ち越される。
担当する農村整備課では、「まだ認められるかわからないが、20年度(令和2年度)予算でも約2億円の工事費を要求しており、繰り越す19年度予算と20年度予算を効率よく執行するため、収穫後速やかに着工できるよう工事発注を行ないたい」としている。
同事業は、同市古川町の市道江頭古川線と市道江頭9号線の交わる変則交差点を起点に、益田町の八幡西中学校前、赤尾町、八木町の田園地帯を通過し、先線が通称・官庁街通りと呼ばれる市道黒橋八木線となる県道大房東横関線「八木町」信号を終点とする通称・八幡西中前農道(L約2q)の再整備。
現道は、74年(昭和49年)から91年(平成3年)にかけて行われた県営桐原馬淵T期地区ほ場整備事業により幹線農道として整備されたもので、幅員は約6b(八木町信号付近のみ右折レーン・歩道が設置済)。当時は農業外の通過交通量は少なく、本来の耕作道路としての機能が発揮されていたが、近年は一般車両の利用が増え一日当たりの交通量は1万1000台を超え、農産物の収穫、防除作業、搬出など、安全な農業活動に支障をきたしている。
このため、農作業スペースを確保するとともに、大型車両などの通行による舗装の劣化に対応、現在の交通量に耐えうる舗装を構築する。計画幅員は、車道を片側3・25bで2車線を確保し、農作業スペースも片側3・25bを両側の設け、全幅は約15bとなる。これに伴い、道路の両端を走る農水管(パイプラインL約3・3q)も付け替える。
17年度(平成29年度)に農水省の事業採択を得て着工に向け準備を進めて来た。総工費約3億7000万円を見込み、21年度(令和3年度)までの5ヵ年計画だが、着工が1年ずれこんだことから微妙な状況だ。
提供:滋賀産業新聞