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建通新聞社(東京)
2020/03/09

【東京】都 広尾病院改築、PFI導入へ20年度にアドバイザリー業務

 東京都病院経営本部は2020年度、PFI方式を導入した都立広尾病院の改築に向けアドバイザリー業務を委託するなど事業手法や施設整備内容の絞り込みを進める。22年度までに与条件を整理して事業者の公募選定を行い、同年度中に設計作業を開始する考え。当初予算案で業務委託費などとして1億円を計上している。
 広尾病院(渋谷区恵比寿2ノ34ノ10)は、同一敷地内にある広尾看護専門学校とともに建て替える。新たな病院の規模は地下1階地上9階建て延べ約4万2000平方bを想定。免震構造を採用して屋上にヘリポートを設置する。基幹災害拠点病院として災害時にも切れ目なく医療を提供できるよう、必要なエネルギーの供給体制を整備するとともに、設備の安全性・信頼性を確保する。浸水被害に備えて地上部に電気・空調・給排水などの基幹設備を配置し、エネルギー効率に優れた設備を導入する。
 日常の診療を継続しながら限られた敷地内で事業を行うため、大きく3段階に分けて建て替えを進める。
 現段階で想定する手順では、まず仮設施設(外来、医局、保育室、災害研修施設、患者家族宿泊施設など)を設置し、看護専門学校の既存施設を解体した後、熱源・機械棟を新築する。
 次に病院別館、さくら寮とレドマス(災害研修施設・職員寮)の一部を解体し、新病院西側を新築。病院本館西側を解体し、新病院東側を新築する。
 完成後に病院本館東側とレドマスを解体し、看護専門学校(想定規模は6階建て延べ約7500平方b)を新築。新病院の外構整備後、職員宿舎(4階建て延べ約1900平方b)を新築して事業を完了させる。
 事業手法の検討に当たって19年度に実施したPFI等導入可能性調査では、一定の費用対効果を確認。3期にわたる工事を同一事業者が実施することで、工事全体の工期短縮や工事コスト削減の効果が期待できることから、従来の設計施工分離方式よりもPFI方式が適した事業手法と判断している。
 そこで20年度はPFIアドバイザリー業務を外部委託し、事業の概要や特定事業の選定に関する事項、民間事業者の募集・選定に関する事項、官民のリスク分担などを整理し、実施方針の策定作業を進める。設計と建設、運営、維持管理の各段階で民間事業者が満たすべき基本的要件やサービス水準をまとめた要求水準書などの作成も並行して行う。
 これら作業を22年度までに完了させて事業者の公募・選定手続きを行い、22年度に設計作業を開始。24年度に工事に着手することを想定している。
 昨年10月に策定した整備基本計画では概算事業費(税抜き)について、広尾病院を約312億6000万円、広尾看護専門学校を約30億7000万円、総額約343億3000万円と見積もっている。

提供:建通新聞社