県・諫早市共同で施設整備検討 補正予算対応含め早急な整備も県は、本明川下流域へのボート場整備について、必用な施設・設備を地元諌早市と共同で整備する方針。協議で事業内容が確定しだい、補正予算対応も含めて早急に整備していく考えだ。県議会本会議の八江利春議員(自由民主党・県民会議)の一般質問に柿本敏晶企画振興部長が答弁した。
八江議員は、同地区について「5000bの直線が確保でき、波が立ちにくい自然護岸であるなど、ボート場としてのポテンシャルン高さは全国一と言われている」と述べ、県外からの合宿誘致による交流人口の増加や、競技力向上のために常設ブイや艇庫の整備が早急に必要だと訴えた。
これに対し柿本部長も、日本代表チームはじめ県外の実業団・大学チームが連続して同地区で合宿し、ボート練習場として高い評価を得ていることに触れた。そして「施設整備は、地域活性化に資する事業として基本的には地元自治体が整備する」としながらも、「主に諫早市以外の競技者の練習場として活用され、広く県内ボート競技者の能力向上に資する施設。合宿・大会誘致による経済波及効果は広域的に期待できる」とした。
これらの考えの下、必要な施設・設備の整備・維持管理は県と諫早市が共同で実施。その経費は県と市で折半することを基本に整理を進めていることを明かした。さらに、当面必要な設備のうち、常設のセンターブイについては「県と市で協議し事業内容が確定しだい、補正予算対応も含めて早急に着手したい」と答弁。艇庫についても、設置場所や整備方法を、ボート協会の意向も踏まえながら具体的な協議を進めていく方針を示した。
八江議員は、ボート競技が長崎海軍伝習所の教科として採用されたり、日本初の大会が長崎港で開かれたことを挙げ「日本のボート競技の歴史は長崎から始まった。歴史を背景に、地域経済の活性化や諫早湾干拓地のイメージアップにつなげるためにも、全国規模の大会開催が必要」と発言。東京大学在学時にボート部に所属していた平田研副知事にも意見を求めた。
平田副知事も同地区を「他にはない優位性がある。今後この特性を生かして全国的なボート競技の拠点となるよう必要な施設整備に取り組みながら、合宿・大会誘致に向けて関係者への働きかけを積極的に進めていきたい」と意気込みを見せた。