県内の地域高規格道路では3路線6区間で整備が進み、2020年度中には都城志布志道路の末吉道路と有明志布志道路が完成する。整備が遅れている大隅縦貫道では吾平道路以南で概略設計を行い、ルート選定など事業化に向けた取り組みが進んでいる。4日、県議会で前野義春議員(県民連合、鹿屋市・垂水市区)の一般質問に三反園訓県知事が明らかにした。
大隅縦貫道は、串良鹿屋道路が自動車専用道路として、東九州自動車道の鹿屋串良JCTと同時に14年12月に供用。走行性の良い区間は現道を利用して、幅員が狭い場所や走行性の悪い区間を一般道路として整備する。
吾平道路は、15年度に現道拡幅部で鶴峰小学校側から道路改良に着手。地質調査の結果、盛土部で地盤改良追加をはじめ、橋梁橋台を直接基礎から杭基礎に変更などのほか、埋蔵文化財調査は対象面積を拡大することが判明している。
19年度からは、走行性が悪い南大隅町で大中尾工区を事業化。延長は約4kmで、現道は山越えでカーブが連続しており、走行性を高めるために橋梁やトンネルが計画されている。
また、吾平道路から国道448号に至る区間は、状況等を調査した上で、優先的に整備する区間を検討するとともに、ルート選定などを行っている。
三反園知事は「重点配分など必要な予算確保に努め、沿線自治体等と連携を図りながら重点的に取り組む」と意気込みを述べた。
背景には、大規模なトンネルや橋梁の工事が伴った泊野道路の整備完了のほか、都城志布志道路も2道路が供用すると残りは志布志道路だけとなることがある。
そのため、北薩横断道路の未事業化区間のうち、鹿児島空港〜野坂IC間の約14kmを「溝辺道路」として20年度の新規事業化も目指している。