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建通新聞社(東京)
2020/03/03

【東京】都 新宿駅案内サイン統一の効果検証、他駅に取組拡大へ

 東京都都市整備局は、鉄道事業者など関係者と連携して進めてきた新宿駅の案内サイン整備(表記などの統一)に関する効果検証を行い、その結果を他の駅での事業実施につなげる。3月2日に開いた新宿ターミナル協議会(座長・岸井隆幸日本大学特任教授)で、今後の取り組みを説明した。
 多くの鉄道やバスが乗り入れる新宿駅とその周辺では、事業者ごとに案内サインが異なり、移動が分かりにくいほか、段差なども多く、利便性の悪さが指摘されている。そこで、学識経験者や地方公共団体、新宿ターミナルを形成する交通事業者、施設管理者などで構成する新宿ターミナル協議会が、利用者本位のターミナルの実現に向けて2016年度に基本ルールを策定。案内サインの改善として、各事業者が表記の統一や表現の一貫性の確保、歩行者動線に対する適切な配置などに取り組むとともに、バリアフリーへの対応として、乗り換えの主な動線上にある段差などへのエレベーターやスロープの整備、視覚障害者誘導用ブロックの連続的な設置を進めていく方針を打ち出した。
 各事業者はこれを踏まえ、案内サインの統一に向けた取り組みを17年度に開始。小田急電鉄が小田急西口地上改札付近や小田急南口改札付近、小田急エース南館など、京王電鉄が京王百貨店口付近や京王新線付近など、JRがJR東口・中央東口付近やJR南口付近など、都交通局が大江戸線新宿西口駅、東京メトロが丸ノ内線東側改札付近、都建設局が西口地下広場でそれぞれサイン整備を実施し、これまでにほぼ事業が完了した。
 これを踏まえ都では、駅利用者にインターネットを活用したアンケート調査を実施し、新宿駅の新しい案内サインの満足度やターミナルマップの認知度などを確認。その調査結果を分析し、案内サインの統一に向けた取り組みを、新宿駅や渋谷駅、池袋駅など先行する9駅以外に広げていく。

「屋内測位技術活用の案内誘導サービスを実証実験」

 同日の協議会では、屋内測位技術を活用した案内誘導サービスについて、都が新宿駅をフィールドとした実証実験を6月に開始することも明らかにした。
 民間事業者が開発している屋内測位技術を活用した案内誘導サービスは、駅の案内サインを補足し、より円滑な移動をサポートすることが目的。昨年11月に「高精度測位社会PJ」「Indoor Atlas」「WATA」の3者が開発した測位技術の精度比較を実証デモとして実施しており、その結果を基に、3月上旬に成果の一部(移動ルート、施設情報)をオープンデータ化。施設管理者など関係者との事前協議を実施した上で、6月に民間事業者のアプリの実証実験を開始。7月〜9月の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に合わせてアプリをサービスインし、利用の実態調査も併せて実施する。

提供:建通新聞社