甲賀市は、地域活性化に繋がる観光拠点の施設整備を図るために甲南町竜法師地区にある「忍びの里プララ」で事業を推進している「忍者を核とした観光拠点施設整備事業」について、来年度当初予算案に事業費8650万円を計上、予算が認められ次第、各種事業を推進していく。
予算内訳は、▽施設改修工事費=5300万円▽設計業務委託費900万円▽監理業務委託費500万円―など。それぞれの内容を見ると、施設改修工事は、第一期工事の残工事として既存施設内のトイレ改修と外壁整備工事を実施する。トイレ改修は既存トイレの洋式化及びバリアフリーを行い、外壁は外観から忍者を安易にイメージできるように施設内容や案内を兼ねた外壁整備内容とする考え。工事は通常運営しながらの整備が必要なことから比較的利用頻度が落ち着く冬期に行う。具体的な発注時期は12月頃が有力視されている。なお、設計は岡村設計(甲賀市)が担当し、現在取りまとめ中。
設計業務委託は、21年度〜24年度までの4年間で整備を実施していく第2期工事の全体像及び整備内容を整える基本設計を発注する。こちらは夏ごろの業務委託を予定。併せて、施設及び周辺区域のゾーニングを協議する「仮称・観光拠点運営協議会」の立ち上げも来年度行う見通しだ。メンバーは、市職員・甲賀観光協会関係者・信楽観光協会関係者・有識者―らでの構成を予定。主な検討内容は▽忍者ショーを行う常設小屋(200人程度収容)の整備や、忍者体験施設の内容検討▽現在休憩舎が残る空き地部分を広場へ再整備▽江戸時代に建てられた古民家を利用し、甲賀流忍者に関するセミナーやイベント活動の場としての活用方法▽忍者学校体験施設を設置する「にんにん広場」整備のあり方▽屋台やキッチンカー等の店舗空間や食べ歩きが出来る食事の場整備▽かつての山城跡を新たな集客スポットとする観光検討▽駐車場拡張―など。基本設計を中心に協議会でこれらの整備内容について検討し、取りまとめた意見を今後発注予定の実施設計に反映していく見通しだ。それらが完了し次第、議会へ上程し、第2期工事へと進めていく方針だ。
なお、第1期工事は辻寅建設(甲賀市)が施工担当。主な工事内容は、甲南町竜法師600番地にある甲南情報交流センターの内装改修がメインで、正面玄関テラス整備や喫茶・軽食・土産販売コーナーの設置を行う。正面玄関テラスには、レンタサイクル置場を整備し来訪者に周辺地区の探訪を促し、喫茶・軽食・土産販売コーナー付近には、忍者紹介コーナーを設け、忍者に関わる文化財などの展示も行う。なお、同整備に係る実施設計業務は、国際航業(東京都千代田区)が担当した。
忍者を核とした観光拠点施設整備は、忍者を切り口に市内観光資源を結び観光客に対し▽見て▽感じて▽食べて▽遊んで▽楽しむ―ことをコンセプトに観光産業を育てることを目指すもので、世界的なコンテンツである「忍者」を最大限に活かした観光誘客により、地域経済の活性化を狙う。
提供:滋賀産業新聞