静岡市は、戦国末期の道路遺跡の出土により再設計中の歴史文化施設について、おおむねの方向性をまとめた。新たな試算による建設事業費は、47億5000万円を見込む。今後、SANAA事務所(東京都港区)で実施設計を進め、最短で9月議会案件として6月公告を目指す。
戦国末期の道路遺跡を展示に取り込んだ場合の施設案を焦点とし、基本設計の再設計を3案に絞って検討してきた。施設は「4階建て+平屋」になり、北側に高さを抑えた4階建て構造を建設、南側に低層棟(2層吹き抜けの平屋)を設置して、スロープで連絡する。構造は鉄筋コンクリートと鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造としている。
4階建て棟は、1階がバックヤード、2、3階が展示室とバックヤード、4階に収蔵庫とバックヤードを配し、必要な機械室は各階に設ける。平屋棟に遺構を収容、市民活動関連施設を併設する。エレベーターは、13人乗り1基と貨物用1基を予定。駐車場は平置きで34台分を確保、駐輪スペース66台、原動機付自転車駐車スペース27台。
建設地は葵区追手町4ノ16、旧青葉小学校跡地。敷地面積は4986平方b、建築面積は2320平方b、総延べ床面積は5120平方bとなる。基礎は布+独立工法。
2019年秋の着工を目指していたが、遺跡出土で計画を見直した。田辺信宏市長は1年遅れ(22年度秋以降)の開館を明言、SANAA事務所で基本設計を進めつつ、文化庁との協議を急いできた。今回、一定の方向性を定め、2月26日の地元説明会で静岡県に採用案を説明した。
提供:建通新聞社
(2020/3/2)
建通新聞社 静岡支社